寒い季節 適切な健康管理を


 寒い季節、なんとなく体の調子が悪いということもあるのではないだろうか。この季節、人間の体は血管を収縮させて体温の低下を防ぐが、一方でこの防御反応が動脈硬化や肩こりなどの病気を招く。寒くなると風邪の患者数も急増する。

増える病気

 寒くなると増えるのが動脈硬化、呼吸器の病気や高血圧、肩こりなどだ。

 寒さによって血管が収縮するとさらに血流が悪くなり、脳血管障害(脳卒中)や心臓の病気(虚血性心疾患、狭心症、心筋梗塞など)、腎臓病(腎硬化症)など重い病気が起きやすくなる。とくに、お年寄りやコレステロール値の高い人は気をつけた方がよい。

 また、寒くなると、ウィルスの活動が活発になり、風邪、インフルエンザ、肺気腫、肺炎などの肺の病気が増える。新生児から3歳までの子供は重症化しやすいので気をつける必要がある。

 さらに、血管が収縮して血流が悪くなると、心臓がより強い力で血液を送り出そうとし、血圧が上がりやすくなる。高血圧は動脈硬化の原因にもなる。

 肩こりや腰痛を起こしやすくなるのは、寒さによって血流が悪くなるからだ。

上手な対策を

 通常、人間の体は外の気温にかかわらず、一定の体温(36度前後)を保っている。これは人間が生きていく上で最もストレスのない体温だという。

 体温を保って健康に生きていくために、人間の体は、夏は汗をかくことで熱を出し、冬は血管を収縮することで保温をはかっている。

 だから、この時期、血管が収縮することで血液の流れが悪くなり、動脈硬化などの病気が起こりやすくなるのは宿命。それを受け止めて、上手に対策を立てることが大切だ。

予防するには

 では、寒さによる体の変調を予防するにはどうすればよいのか。

 暖かい部屋から急に寒い部屋や外に出ると、動脈硬化が原因で心臓病や脳血管障害が起こりやすくなる。とくに気をつけてほしいのがお年寄りのいる家庭。お風呂の脱衣場やトイレなどの暖房対策を立てるようにしてほしい。室内の温度差が大きくならないようにすることも一計だ。

 外に出る前にはストレッチをすると、体を温め、全身の血行をよくする効果がある。外出時には、過度な厚着よりマフラーや手袋を使うとよい。手袋は末消血管の収縮を防ぐことができる。(「セルフドクター」参照)

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