春・夏・秋・冬

 混乱の続いた米大統領選挙、ようやく決着がついた。共和党政権の誕生によって、民主党のクリントン大統領の訪朝は間もなく、というのが大方の観測である

▼今世紀、朝鮮半島の在り方を大きく変えた米国。その象徴的な存在は駐留米軍である。45年9月からの駐留、そして軍政の実施は、日本の植民地支配の機構などあらゆるものを温存、引き継いだ

▼「南に民主主義はあるかと問われれば、親日文化を基礎に軍事独裁ばかりか全権を集中させた維新体制にまで拡大、それを『韓国式民主主義』と豪語した朴正煕らのいう類のものは存在する。しかし、それが民主主義なのかと問われれば、私は否定する」とは、南の記者の弁

▼大日本帝国陸軍少尉として、中国・東北地方で抗日武装闘争勢力の掃討に当たった朴正煕。李承晩・親米反共独裁政権追放、統一機運の高まり(60年4月)を押さえ込むために米国の指示でクーデターを決行(61年5月)。「1人独裁」の維新体制を確立。それに抗した民衆決起が引き金となり射殺(79年10月)されたが、腹心の全斗煥、盧泰愚が後を継いだ

▼87年の6月抗争を経て、金泳三政権が誕生したが、全、盧との談合の産物だった。その系譜に属さない金大中政権が生まれたのは、つい2年前の事にすぎない。こう見てくると、南の社会も解放前と後の連続性の中にある

▼封建と親日、親米文化の混在する社会。その清算が課題だが、「6・15共同宣言履行のみがその道」とは前出の記者。共同宣言の実践が21世紀、新しい朝鮮民族を生み出す。(彦)

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