豆満江計画 東京でシンポ
UNDP、日本の参加促す
始動から10年/貿易、投資増
国際シンポジウム「北東アジアにおける人間開発と人間の安全保障」が8日、東京・渋谷区の国連大学ホールで開かれた。始動から10年目を迎えた豆満江地域開発計画に対する日本での関心を高め、日本政府の参加を促そうと国連開発計画(UNDP)が主催。計画に参加している5ヵ国(南北朝鮮、中国、ロシア、モンゴル)のうち、朝鮮、中国、モンゴルの3ヵ国に関するパネルディスカッションがそれぞれ行われた。
第1セッションの朝鮮に関するパネルディスカッションで発言したUNDP豆満江開発プログラムリーダーのツォグサイハン・ゴンボ氏は、同計画のこの十年の成果として@この地域が世界により開かれたA制度的な枠組み、運営上のメカニズムが確立されたB輸送・交通ルートの整備が進んだC貿易量が増加したD外国からの投資が増加したE全般的な社会、経済的開発が進んだ――の6点について指摘した。 さらに今後の可能性として@地政学的な状況の改善Aグローバル化の波B地域での国際的な利益の向上C各国政府のコミットの高まり――をあげた。 一方、課題としては@インフラの整備A資金の調達B各国間の政策調整C計画の規模拡大D計画のゴールの調整――を示し、日本の参加を強く呼びかけた。 同セッションではまたUN・UNDP・WFP(世界食糧計画)の朝鮮常駐代表を務めるデビッド・モートン氏が朝鮮食糧問題について報告し、今後の支援の方向性として@緊急援助としての人道的な食糧支援を続けながらA農業支援を拡大しB経済回復への可能性作りを広げていく――ことを示した。 |