記者が行く体験コーナー
魚のおろし方
東京魚商業組合の「魚屋さんの調理教室」
料理は切れ味しだい/包丁はこまめに研ぐ
11月末、東京・江東区内で行なわれた東京魚商業組合主催の「魚屋さんの調理教室」(無料)で、魚のおろし方と包丁の研ぎ方について、プロの技術を学んだ。講師は同組合加盟の魚屋さん。
まずは包丁(片刃の出刃包丁)の研ぎ方から。 砥石に60度の角度で当て、刃先から刃元に向けて数回研ぐ。指で触って引っかかりができれば、刃を裏返して刃返りを取り完了。料理は切れ味次第というだけに、包丁はこまめに研いでおきたい。 次に魚のおろし方。 調理教室には5キロほどのタイやマグロ、サバ、イカなどが並ぶが、手ほどきはアジから。 左側に頭を置き、頭が三角になるよう、えらぶたに沿って包丁の刃先を立てて頭を切り落とす。 次に腹の部分を開き、内臓を刃先でかき出す。水で中骨の血合いや黒い膜などをよく洗い落とす。 おろし方は上身、下身、中骨の3枚。 魚の腹を手前にし、上身から切る。背から包丁を入れ、中骨の上に沿わせて尾に向かって 一気に 切り離す。裏側も同じように背から尾に向かって包丁を入れて3枚に。最後に、おろした身の腹骨を切り落とす。 これが大小を問わない魚の基本的なおろし方。講師の包丁使いを真似ながら、実際にチャレンジしてみた。 「初めての時は誰でもこわいもの。でも、やるごとに確実に慣れ、うまくなりますから。頑張って」という講師の励ましの声にもかかわらず、1枚目はもたもたしていたので身が ほとんど 残らず不合格。 しかし、2枚目は落ち着いて 一気 に包丁を入れたところ、見事に3枚おろしに成功した。 アジは叩きにするので、次に尾から腹に向かって包丁を入れ、ゆっくりと皮を剥がしていく。皮は引っ張ると剥がれやすい。身を1センチ角に切って出来上がり。 アジは大衆魚の代表の1つ。値段が安く、しかも栄養価が高い。目が濁ってなく、エラに血の見えないものが新鮮で、選ぶ時は身が厚く、黒と銀のコントラストが鮮やかでハリ、ツヤのあるものがコツだそう 血合いはビタミンと鉄分が多いので貧血気味の人によく、生姜などで臭みを取って食べると効く。中骨は揚げて骨せんべいにすれば最高だ。 この日はタイ、サバもさばいたが、それぞれ刺身、味噌煮として、アジの叩きと共に夕食の食卓に上がった。(羅基哲記者) |