暮らしの周辺

石けんのススメ


 わが家では、洗濯、食器洗い、入浴、掃除などで基本的に石けんを使っている。入浴時の洗髪にも石けんを使い、リンスは食酢をぬるま湯で薄めて使っている。フケも出ず、髪もツヤツヤして、きわめて具合がよい。歯磨きも基本はブラッシングで、時々、天塩をつけて磨くだけである。

 奇異に思われる方がいるかもしれないが、数十年前はどこの家でも石けんでほとんどの用を足していた。それが1960年代頃から合成洗剤、シャンプー、リンス、各種住居用洗剤が売り出されて、石けんは駆逐されていく。売り上げは宣伝費に比例するという調査結果が出ているように、大量生産、大量消費の資本の論理に根差したコマーシャルによって、消費者は合成洗剤が便利で、良い商品だと潜在意識下に刷り込まれてしまったのだ。

 しかし、合成洗剤は体に有害な影響を与え、同時に水を汚染し、環境を破壊する。森田光徳著「自然流『せっけん』読本」(農文協刊)などの本を読めば一目瞭然。それに比べ、石けんは体に無害で、1日で水と2酸化炭素に分解され、石けんカスは微生物の栄養源となって生態系にリサイクルする。

 水は人間の命の素である。水を毒化する合成洗剤を追放し、石けん、とくに無添剤石けんを使うことは、今日からでもすぐに各家庭でできることだ。まず事実を知り、大企業のマインドコントロールから抜け出すことから始めてみよう。自分と家族と地球のために。(趙)

日本語版TOPページ