林秀卿さん11年ぶりに来日 都内で講演

6・15共同宣言実施へ努力を
在日同胞との出会いに力


 1989年に平壌で開かれた世界青年学生祭展に全国大学生代表者協議会の代表として参加した林秀卿さんが2日、都内で講演した。主催はアムネスティ・インターナショナル日本。「世界青年学生祭典から南北首脳会談へ」と題して林さんは、89年当時の訪北の話、今年6月の歴史的な北南首脳会談についてや、在日同胞との出会いなどについて語った。林さんは板門店経由で南に戻るや否や「国家保安法」違反容疑で拘束され、3年4ヵ月の獄中生活を体験した。林さんの講演内容を抜粋して紹介する。

北南首脳会談

 本当に意義深い出来事だ。今回の北南首脳の平壌での出会いは、統一のためにたたかってきた人々の血のにじむような努力と献身、勇気を土台に実現したものだ。

 金大中大統領と金正日国防委員会委員長が抱き合う姿を見ながら、文益煥牧師と金日成主席が抱き合う姿を思い出した。当時、その抱擁は南で非難を受けたものだが、今回の抱擁は大歓迎を受けた。これは南における統一意識の発展を示すものだ。

 今後は6・15共同宣言を実践に移し、統一へと近づけていく努力が大切だと思う。

「国家保安法」

 南と北の首脳が出会い握手もしたというのに、私を10年前に拘束した「国家保安法」はいまだに撤廃されていないだけでなく、改編もされていない。

 文牧師は同法の賛揚・鼓舞・同調罪を問われた法廷で、南は北を、北は南を互いに賛揚・鼓舞すべきだという有名な言葉を残した。この言葉がたいへん印象的だ。「国家保安法」は必ず撤廃されるべきだ。

在日同胞のこと

 他のいかなる海外僑胞よりも在日同胞が私に格別に多くの愛情を注いでくれた。私が獄中にいる時、在日同胞が釈放のために署名運動を繰り広げてくれたと聞いた。朝鮮学校の生徒や学生からクリスマスカードも送られてきた。毛糸の靴下や温かい下着を送ってくれた人もいた。

 今回、11月下旬から日本に滞在したが、その際にもたくさんの同胞と出会った。統一運動の過程で時には落ち込むこともあるが、異国の地で民族の言葉や文化を守っている在日同胞のためにも、統一を実現しなければならないと誓った。

 保守的で閉鎖的な社会風潮がある日本で、チョゴリを着て自転車で学校に通う生徒を見た。本当にりっぱだ。在日同胞たちのあつい思いを胸に刻んで帰ることができる。(整理金香清記者、文責編集部)

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