南朝鮮で2大労総が連帯ストへ
構造調整反対など政府と全面対決
南朝鮮の2大労働組合連合組織である韓国労働組合総連盟(労総、李南淳委員長)と全国民主労働組合総連盟(民主労総、段炳浩委員長)が、11月24日、政府の構造調整政策に反対して連帯闘争を繰り広げることで合意した。両労総の連帯闘争は、96年の労働法改悪反対闘争以来のこと。今月5日と8日には連帯ストを予定しており、実現すれば、社会全体に大きな影響力を及ぼすと見られている。
生活権侵害の危機 これまで、両労総が連帯闘争を行うことは、労働法改悪反対闘争以外になかった。というのは、軍事独裁政権時代、労総は御用労組と見なされてきたからだ。だから、87年の南朝鮮民主化運動の中で、真に労働者の権利を代弁する労働組合の設立を求める声があがり、う余曲折を経て現在の民主労総が結成されたという経緯がある。つまり、労働組合の連合組織として両労組は、競合関係にあったわけだ。 それが今回、連帯闘争を行うに至ったのには、当局の一方的な構造調整によって、労働者の生活権が著しく侵されるという危機感があった。 利益は外国資本に しかし、南朝鮮当局が進めてきた経済建て直し政策というのは、外国資本の導入と公共事業の民営化、業績悪化企業の清算、リストラによる収益の向上などで、弱者=労働者を切り捨てた上での経済回復だった。したがって、前述の数字は、労働者、零細業者に配分されるべき利益を外国資本が吸い上げた結果、達成された数字だと言える。 一般庶民にも影響 さらに外資導入の結果、経済の要とも言える金融機関では、外為、国民、ハンミ、ハナ、第1銀行の最大株主が外国系であり、住宅、シンハン銀行の外国人の所有株は、50%に達した。 加えて南朝鮮当局は、公共部門まで外国企業に売却しようとしているのだ。その筆頭が韓国電力で、同社が外国に売却された場合、大量の労働者が解雇されるのはもちろん、一般庶民の生活にまで影響を与えるのは必至だ。 両労総は今後、政府の一方的な構造調整政策の撤回とともに@労働時間の短縮による雇用調整(週休2日制)A非正規職労働者に対する差別の撤廃などを求めて5日に警告ストを、8日にゼネストを行うとしており、当局との全面対決は避けられそうにない。 |