４、５歳の時、オモニ会の活動としてサッカー部員らの洗濯や食事づくりに励むオモニ林広枝さんの後につき、監督の指導ぶりをじっと見つめ、「いつか自分も…」と思っていた。

　初中高とサッカーの練習と試合に明け暮れる日々。「誰よりも練習熱心」と監督。「俺にはサッカーしかない」と本人もボールを蹴りつづけた。

　高校進学時、日本の「サッカー名門校」からの誘いにも学生時代にウリトンムを作る、とウリハッキョで学び続けた。両親もそれを望んだ。

　ウリハッキョからＪリーグへの直接入団は初めてのこと。日本の高校卒業資格を得るため通信過程受講中でもある…。数々のハンデをクリアし頑張った。

　「まずサンフレッチェの中心的存在になり、朝鮮代表として統一チームのユニホームを着ること」が彼の目標である。

　オモニは「サッカー熱の高い地元倉敷や広島の環境の良さと大勢の同胞たちに支えられここまでこれた」と喜ぶ。

　専門家は「パスセンスの良さと試合の読める選手」とおおいに評価している。

  ふだんは兄弟ケンカの相手、弟敬宰君もヒョン二ムを応援している。

　夢に向けて大きな一歩を踏み出した漢宰選手。

　プロの道の厳しさを乗り越え、多くのウリハッキョサッカー少年らの励みになるよう活躍してほしい。（ジャーナリスト）