本社記者 平壌レポート

第11回プログラムコンテスト/新作ソフト270件勢揃い

コンピュータ技術で経済再建へ


  【平壌発=金志永、姜イル記者】 「科学重視」を掲げ、コンピュータ技術開発に力を注ぐ朝鮮の「今」の一端が見えた――。新たに開発されたソフトウェアが勢揃いした第11回全国プログラムコンテスト・展示会(10月26日〜11月6日、平壌・三大革命展示館)は連日、関係者らで賑わっていた。

国を挙げて取り組む

 コンテスト・展示会は、プログラムコンテスト部門と展示会部門、省、中央機関コンピュータグラフィック展示会部門の3部門に分かれて行われ、金日成総合大学をはじめ各地の11大学、また国家計画委員会、社会科学院、平壌プログラムセンター、金萬有病院など各地の7つの機関が開発した270余件のソフトが出品された。

 プログラムコンテスト部門では、文字認識ソフト「龍南山3・2」(金日成総合大学)、朝鮮語連続音声認識ソフト「平壌2・0」(理科大学)、朝鮮将棋ソフト「プルナ2・0」(金策工業総合大学)が1等に輝いた。

 またプログラム展示会部門では、標準ハングル処理ソフト「檀君」(平壌プログラムセンター)、朝鮮語入力システム「平壌」(金日成総合大学)、金策製鉄連合企業所生産最良化システム「ミップリ」(人民経済大学)が特等、養魚情報システム「サチョル1・0」(金日成総合大学)など13件が1等の評価を受けた。

 さらに省、中央機関コンピュータグラフィック展示会部門では電気石炭工業省と保健省が1等になった。

海外輸出向けも

 科学重視を掲げ、その力で強盛大国建設を目指して経済再建に全力を尽くす国情を反映し、同コンテスト・展示会には、国の経済部門に直接寄与するソフトが多く出品されていたのが特徴的だった。

 例えば韓徳銖軽工業大学が開発した絹糸の品質評価ソフトは、これまで人手に頼っていた品質評価をコンピュータ化することにより、労力を従来の4分の1に、時間を8分の1に節約することができる。すでに生産部門に導入され、大きな成果をあげている。

 ほかにも、国家計画作成支援ソフト「復興」、人民経済部門間均衡計算支援ソフト「ナゲ(翼)」、土地整理設計支援ソフト「万豊号―第2版」、水力発電所電力生産計画作成支援ソフト「水豊」、原油探査開発設計支援ソフト「探索―1」などは、大いに役に立ちそうだ。

 一方、海外への輸出を念頭に置いたソフト類もあった。

 平壌プログラムセンターが開発した「タムジン1・0」、は朝・日翻訳ソフト。朝鮮語に多い同音異義語も文脈で正しく判断して日本語に置き換える。収録単語数20万語。300キロバイトの文章量の翻訳を3分以内にこなす。OSはウィンドウズ95、98の英語版、日本語版に対応。各種のハングコードの文書作成、翻訳が可能だ。すでに商品化され、平壌プログラムセンターで20ドルで販売されていた。

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