映画「百萬人の身世打鈴」 28日から都内で上映
朝鮮人の恨を描いた労作
強制連行などの証言を収録
過去、日本によって強制連行・労働させられたり、軍の「慰安婦」として性奴隷にさせられたりした朝鮮人の恨を描いた長編記録映画「百萬人の身世打鈴」(企画・製作=映像ハヌル)が28日から都内で上映される。
永年、東アジアを舞台に数々の長編記録映画に取り組んできた前田憲二監督とスタッフが4年がかりで完成させた、3時間45分の労作だ。 「身世打鈴(シンセタリョン)」は身の上話という意味。50人近くを取材し、17人が画面で生々しい証言をする。連行されて日本で空襲にあい片脚を失った男性、兵隊にナイフで背中を傷つけられた元「慰安婦」など、証言者の言葉の重さが痛切に伝わってくる。一人ひとりは顔で笑っていても「心の眼」は鋭い。そのことを映像は的確に捉えている。 証言の裏付けを取るために南朝鮮や中国、日本の各地を回った。また30年代から40年代に撮影された貴重なモノクロフィルムや写真・資料などをふんだんに使用し、作品に幅広く厚みを加えている。 「強制連行などの問題は近現代の避けて通れないテーマ」(前田氏)だと感じ、仲間を募り、7年前から証言を集め始めた。昨年12月には同じタイトルで大部の証言集(東方出版)を出版した。「目標は百ヵ所で自主上映されることだ。2年後にはビデオ化したい」という前田氏は「ぜひ多くの人に見てほしい」と語った。 ※ ※ ※ 【日時=28〜30日、いずれも午後6時から上映。12月12日は午後1時から。会場=中野ZEROホール・小ホール рO3・5340・5000】 問い合わせは映像ハヌル(рO3・5996・9426)へ。 |