強盛大国 金正日プランー7−
人となり
積極外交で見えた「素顔」
「実践型指導者」 各国首脳も賞賛
動く朝鮮半島情勢 「彼は、論理的でエネルギッシュで、礼儀正しい指導者だ」。金正日総書記の印象を、会見した江沢民・中国国家主席はこう評した。 世界を驚かした5月の非公式訪中から半年。今や、総書記の「生」の姿はテレビや新聞で頻繁に目にすることができる。6月の歴史的な北南首脳会談、7月のプーチン露大統領訪朝、先月のオルブライト米国務長官訪朝…。朝鮮半島情勢は大きく転換した。 総書記は、金日成主席が逝去してから六年間、その遺志を受け継ぎ、人民生活を向上させ祖国統一を実現するために尽力してきた。 朝鮮戦争後の復旧建設の時期よりも苦しかったと言われる6年間の「苦難の行軍」の間、総書記は人民軍を中心に国家建設を進める先軍政治 に基づいて社会主義体制を守り抜いた。このような国を作り上げた実績をもって、総書記の政治手腕、指導者としての資質は疑う余地がない。 一方で、その姿が「謎の指導者」のレッテルを貼る一部の報道によって、見えてこなかったのも事実だ。だが、総書記は積極的な首脳外交でベールを自ら脱いだ。人々は恣意的な視点のない、ありのままの総書記像を共有した。 穿った総書記像が定着してきただけに、「すばらしい指導者」と口で言うだけでは説得力に欠ける。これを裏付けるのが、総書記と会見した各国首脳・閣僚の証言だ。 金大中大統領は、初の首脳会談での総書記の印象を「正しいと確信したことは無条件、実践に移す方であり、判断力と決断力に優れた方」と語った。ジョークを飛ばし、年長の大統領に心配りも忘れない姿を、南の共同取材団は「総書記に対して持っていた情報が間違いだったことを確認させた」と報じた。 北に対する偏見に満ちた報道が大勢を占めていた南の人々の間で、総書記のイメージは180度変わった。中央日報のアンケートでは、イメージが「良くなった」と答えた人が97%に上る。 西側諸国との首脳外交でも、「世界情勢を客観的に把握している、完全な現代人。どんな問題の議論も可能だった」(プーチン大統領)、「決断力があり老練」(オルブライト長官)と評された。 北南の両首脳はたった3日で、6・15共同宣言という「形」を残し、離散家族再会や非転向長期囚送還、総聯同胞故郷訪問など、矢継ぎ早に結果を出した。中・露とは友好関係を再確認し、米国とは関係改善へ大きく動いている。欧州では国交樹立を模索する動きが相次いだ。各国首脳をして「実践型」と言わしめるゆえんは、ここにある。 意図を正確に遂行 金容淳書記は9月にソウルを訪問し、総書記が今後、近い時期にソウルを訪問することを盛り込んだ共同報道文を発表した。済州道では、金鎰武l民武力部長が初の南北国防相会談に臨んだ。総書記の特使として訪米した趙明禄・国防委員会第1副委員長はクリントン大統領、オルブライト国務長官との会談で、朝米関係改善の問題について幅広い意見を交わし、これが国務長官訪朝へとつながった。 総書記の積極外交は、一つひとつ着実に花を咲かせている。(柳成根記者) |