「あいちムジゲ会」発足

障害児への関心高めよう

同胞作業所設置、朝鮮学校入学など
現実問題に正面から向き合う


 愛知福祉連絡協議会の支援のもと、同胞障害児とその家族、ボランティアによる「あいちムジゲ会」が10月29日に発足した。同日、同会主催の第1回「あいちトンポ福祉セミナー」が、名古屋市中村区の名古屋朝鮮初級学校で行われ、ダウン症、自閉症、小児麻痺などの障害児を持つ七家族をはじめ、障害児を受け持っている静岡朝鮮初中級学校の教員らと日本の福祉関係者ら113人が参加した。

交流の場必要

 「あいちムジゲ会」の発足は、8月19、20の両日に大阪で行われた「ムジゲイン大阪」の1泊2日のセミナーに参加した名古屋朝鮮初級学校の幼稚班教員の報告会がきっかけとなった。

 参加者から地元でもこうした会を作ろうとの提案があり、その後、4回にわたる準備会を行い、話し合いを重ねながら今回の発足に至った。

 セミナーの講師として参加した、花園大学福祉学部の慎英弘助教授は「障害を持たない人たちが障害に目を向け、障害を持っている人たちが交流できる、ムジゲのような会を同胞の間で作ることは、私の夢でもあった」と、「あいちムジゲ会」発足の意義について述べた。

 そして、組織的な取り組みがなかった当時、希望を捨てず1人で、大学の助教授として福祉関係に進むまでの自身の歩みを語りながら、今後はお互いに情報交換をしながらこうした会を大きくしていくことが重要だと語った。

励みと希望に

 ムジゲ会のメンバーでもある脳性小児麻痺の36歳の子どもを持つ李寿恵さん(64、女性同盟南支部顧問)は、「障害児の子どもを持った時、同胞社会では自分だけなのではないかと悩んだ。とにかく、組織の中にいれば生きる道があるはずだと、子どもの手を引いて支部に出た。子どもを朝鮮人として育てることがいちばん大事だと思った」と、経験を語った。

 この日、出席した障害児を持つ7家族からは、多くの人が関心を寄せてくれたことは励みとなり、希望になる、と感想を述べていた。

 同会では、同日、会の発足を記念してアピールを発表した。

 そこでは、今後定期的に集まって、養護学校の問題、朝鮮学校に通うためにはどうすればよいか、など情報を交換することはもちろん、子どもたちの将来のために、同胞障害者の作業所をつくることなど、現実的な問題に正面から向き合い、共に取り組んでいくことがうたわれていた。

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