それぞれの四季
オンニと子育て
全佳姫
月めくりのカレンダーもあますところなく2枚となった。11月は、私の3番目のオンニの誕生月である。今年は新しい家族を迎え、4人で祝う誕生日となるだろう。
去年の秋、オンニが2人目の赤ちゃんを身ごもったと聞いた時、私はわが事のように喜んだ。でも頑張りやのオンニのこと、無理だけはしないで、と願う私やオモニの心配をよそに、オンニは出産の2日前まで出勤した。そして、3ヵ月の産休が明けるとすぐに子供を保育ママに預けて職場へと復帰。もうすぐ3歳の上の子も、まだ5ヵ月の下の子も、今が一番オモニの愛情が必要な時期なのに…とつい老婆心ばかり先立つ。 つい先日の芸術競演大会の時もそうだった。休日返上の練習、徹夜つづきの衣装づくり。電話口のオンニはいつも疲れ切っていた。「舞踊部の指導ってそんなに大事? 倒れたらどうすんの」。胸の内で反すうする言葉をオンニには言えない。 初級部で朝鮮舞踊を始め、高校を卒業するとアボジの反対を押し切り、歌舞団に入団したオンニ。その人生の大半を舞踊と共に歩んできた、と言っても過言ではない。 芸術競演大会当日、オンニが指導した学生たちの舞台は驚くほど華やかだった。鳥肌、感動、そして、少し泣いた。 自分の好きなことをしている、100%充実した状態で子供と向き合う、そんな理想の子育てをオンニは身をもって実践しているのかも知れない。例え、触れ合う時間はほかの母親たちに比べ少ないかも知れないが、精神的な充足感は誰にも負けていない。 頑張れオンニ! 心から声援を送ります。(事務員) |