トンポのお店

ピリ辛味噌ダレが自慢

焼鳥 若松屋(埼玉・吹上)


 この道30年。李三鉉さん(58)、朴清子さん(57)夫妻のモットーは「何も変えないこと」だ。

 オープン当時、工場勤めの若者だったが、家庭を築き白髪交じりの「おじさん」になった今も訪ねてくるという。そんな常連さんが大半だが、みな口をそろえたように、「味、値段、店の作り、そして何よりもマスターたちが変わらないから安心する」と話す。「その言葉が不況に対する不安をかき消し、励ましてくれるんですよ」(朴さん)。

 同店の特徴はなんと言ってもタレ。白味噌とニンニク、赤唐辛子などを混ぜた、李さん特製のピリ辛味噌ダレだ。同店はすべて塩焼きだが、以前は焼く時に少しだけ塩をまぶし、さらに醤油ダレにつけていた。こうすると、甘い醤油ダレがしょっぱくなって味が変わるから、と考案した。自由に好きなだけつけて食べられる。

 肉は豚の頭肉と内臓肉のみを使用。特に頭は脂肪分が多く、肉汁が多く出るのでジューシーな焼き上がりになるそうだ。

 レバーの焼き加減はレア。口の中に入れたら甘く、とろけるようだ。

 「焼鳥の『わんこそば』」(常連さんの1人)と定評のあるように、「ストップ」と声をかけないと、お客の食べるリズムに合わせながら、マスターはどんどん焼き続けていく。仕事帰りに冷たいビールと香ばしい焼鳥、のれんをくぐって損はしないこと受け合いだ。

 読者には生ビール1杯と、滅多に笑わないと評判のマスターの笑顔をサービス。(順)

 メニュー 焼鳥1本90円(頭、タン、はつ、軟骨、肝)、キムチ(大根・きゅうり)200円など。

 営業時間  午後5時〜10時。日・祭日休。埼玉県北安達郡吹上町本町4−9−2(рO48・548・3990)。

日本語版TOPページ

 

会談の関連記事