春・夏・秋・冬 |
「愛の貧乏大作戦」というテレビ番組がある。自分で店(主に飲食店)を経営しているが、まったくの不振店で生活費も工面できず、 貧乏 だから助けてほしいとの視聴者からの依頼を受け、番組が立て直しを計画、実行する過程を仕立てたものだ
▼会話の中で必ずといっていいほど出てくるフレーズがある。「…自分なりに一生懸命やったつもりだ」。しかし、技を叩き込む達人(繁盛店の主人)は本人のいい加減さや甘さを厳しく叱る。技の前に心、つまり「考え方」を変えないと、「やる気」を起こさないとまったく前に進まないことを悟らせるのだ ▼在日本朝鮮人商工連合会・同胞飲食業者協議会主催の「朝鮮料理(焼肉)店経営集中講座」では、経営者に刺激を与え、かつ「やる気」を起こさせるため、経営セミナー、繁盛店見学などを通して、経営のノウハウを提供している ▼今年も大阪・鶴橋の焼肉店密集地を回った参加者たちから、「環境は厳しいが、やる気を持てた」「だめでも、やるしかない」と前向きな言葉が多く聞かれたと、本紙記者はレポートしている。参加者らの感想が印象的だった。「不況下で、ゼロからのスタート。まったくプランの定まらない状態で参加したが、目配りや接客など、顧客第一の姿勢を学び、目からうろこが落ちた。がぜん、やる気が出た…」「この業界を私たち三世がつぶすわけにはいかない」 ▼「だめだ、むりだ、できない」。そんなゆうちょうなことをいう暇がないのが本音だろう。彼らと同様、「やるしかない」という気持ちで一杯だ。(舜) |