在日同胞の生活テーマに
河専南・金映淑「二人展」
朝鮮大学校の美術科を卒業(95年)した河専南さん(長野県在住・26)と金映淑さん(東京都在住・26)による「二人展」が1〜8日、東京・銀座のアトリエTKで開催された。
在日同胞の過去と未来をテーマに、それぞれ絵画を九作品ずつ出展。 「視跡」(金映淑作)では、朝鮮学校女生徒に対するチョゴリ切り裂き事件の背景をモチーフに、真っ白なチョゴリの上にインクが飛び散ったような模様をいくつも描き、チョゴリにそそがれる日本人の鋭い視線、それによって見られる側が受ける傷を描写した。 「少女・チョゴリ」(河専南作)は、チョゴリを着た少女が、夜空に薄ぼんやりと浮かぶ月を見上げて立つ姿を描き、神秘的な印象を与える。 ほかには、自画像から大きなトゲがたくさん飛び出した「チクチクした私」、肌の色が淡い緑の女性が、茎の長い葉をオペラグラスにして遠くを覗く「見てる」など、ユニークな作品も数多く展示されていた。 会場には連日、九州、福島など、遠方から多くの同級生、後輩らが駆けつけた。 98年に卒業した李成華さん(東京都在住・22)は、「デッサンがしっかりして発想も豊かで、作品の主題がはっきりしていた」と感想を述べた。 |