スポーツの秋・ウォーキングの効用
李節子 陸上競技協会理事長に聞く

有酸素運動の代表

心肺機能高め脳活性化


 今、最も身近で安全性の高い運動としてもてはやされているウォーキング。その効用について、在日朝鮮人陸上競技協会理事長の李節子氏(52)に聞いた。

正しい姿勢、呼吸で
毎日1時間ゆっくりと

 健康な毎日を送るためには色々な要素が必要だが、中でも循環器系の運動を取り入れることが大切である。それに加えて栄養をバランスよくとり、体重をコントロールし、ストレスをうまく管理することが必要だ。

 循環器系の運動(有酸素運動)の代表がウォーキング。誰でも、どこでも、いつでもできる、すべての人に適した運動である。

 具体的な効用を挙げてみよう。まず脚の筋肉を積極的に動かすことによって、全身の血行が促進される。神経の働きもスムーズになる。血液の循環が良くなると、心臓や肺の機能も高まる。そればかりか、脳の働きが活発になる。

 イライラや不安感も解消できる。ストレスがたまると、カテコールと呼ばれる「ストレスホルモン」が出るが、これがウォーキングによって代謝される。代謝されて、エンドロフィンという「幸福ホルモン」が分泌される。すると、脳が活性化され、免疫力も高まる。

 次に、ウォーキングのポイントを挙げてみよう。

 第1に正しい姿勢。姿勢が悪いと運動の効果が上がらないだけでなく、腰やひざなどを痛めることにも。

 大切なのは背骨と腰骨、脚の関係だ。背骨はわずかに湾曲がよい。腰骨は骨盤が水平になっていることが大切。脚は腰から垂直に伸びるよう心がける。

 2番目は呼吸だが、これは2ビートか4ビートで。「吸って吸って、吐いて吐いて」というのが2ビート。楽なウォーキングの時の呼吸法だ。多少スピードをあげた時には、「吸って吸って吸って吸って、吐いて吐いて吐いて吐いて」という4ビートの呼吸で歩く。

 3番目は習慣にすること。できれば毎日1時間の「緩歩」(ゆっくり歩き)か「平歩」(普通歩き)を生活に取り入れるのが理想的だ。

 4番目のポイントは、ウォーキングの前と後に必ず軽い体操やストレッチをすることだ。そうすれば血液の循環はさらによくなる。

 最後に、レクリエーションウォークを積極的に取り入れると良い。例えば、週末に少し遠出をして自然観察や森林浴、バードウォッチングを楽しむといった具合にだ。

 ウォーキングでダイエットを、と考えている人は「速歩」(早歩き)で必ず1万歩以上歩いてほしい。そうすれば脂肪が燃焼される。私たちは普段の生活で、大体6〜7000歩は補っている。プラス3000歩をウォーキングやジョギングで保障すればよい。

 週1回では効果は望めない。最低週4日はやってほしい。3ヵ月ほどすると、効果が出てくるはずだ。

 もちろん、ストレッチと筋力トレーニングは必ずプラスしてほしい。

   (談、文責編集部)

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