春・夏・秋・冬

 現在、開会中の日本の臨時国会で、先の通常国会で廃案となった「地方参政権」問題が重要案件の1つとして浮上し、賛否両論がかまびすしい。総聯は、在日同胞の帰化、同化を促すものであり、さらには在日同胞社会に分裂、混乱をもたらす、などの理由でこれまで一貫して強く反対してきた

▼現在の国会内外での論議を見ていると、まさに総聯の立場が正しかったことを実感する。とりわけ、反対派の陣営から「参政権が欲しければ帰化すべき」、そのために「今の繁雑な帰化の手続きを簡素化すればよい」などの意見が相次いでいることは、そのことを証明するものだろう

▼かつての、日本の朝鮮植民地支配問題に詳しい京都大学の水野直樹教授は、「日本政府が合法とする朝鮮統治」について、「同化と差別を組み合わせた支配。例えば日本語を中心とした教育の普及は、朝鮮人を『皇国臣民』化して日本の体制に取り込み、利用するためのものだった」と明快に指摘する(朝日新聞9月10日付大阪版)

▼人を人と思わぬ、歴史上に類例を見ない植民地支配の過去を清算せず、その支配の論理のうえに解放後も一貫して帰化、同化を強要してきた経緯からして、反対派の帰化うんぬんの発言が植民地時代そのものを引きずっていることは容易に察せられる

▼だから、朝・日国交正常化交渉にしろ、在日同胞の諸問題を語るにしろ、日本政府の「過去の徹底した清算は避けて通れない」(朝日新聞上記付)し、合わせて朝鮮学校の処遇など差別政策の解消がまず、先行されなければならない。(彦)

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