「従軍慰安」婦問題

日本政府は法的責任を

国連人権小委報告会


 日本軍「従軍慰安婦」問題を論議した第52会期国連人権委員会・人権促進保護小委員会(八月、ジュネーブ)の報告会が9月15日、東京の九段社会教育会館で行われ、会議を傍聴した前田朗・東京造形大学教授が報告した。

 国連では、92年から「従軍慰安婦」問題が討議されている。今回の小委員会では、性奴隷問題(「慰安婦」問題を含む)をテーマにしたマクドゥガル特別報告者の報告書にどのような判断が下されるかに関心が集まっていたが、報告書を全会一致で「歓迎」する決議が採択(17日)された。

 報告書でマクドゥガル特別報告者は@慰安所制度は、人道に対する罪だA日本政府は元「慰安婦」への謝罪は行ったが、法的賠償を行わず、国際法上の義務を果たしていないB(当時の日本)政府を含むすべての責任者の法的責任を認めるべき――と主張した。この主張は同報告者が98年に提出し、決議された報告書ですでに言及している。

 同委員会には朝鮮政府代表も参加(写真)し、20万人の朝鮮人女性を性奴隷にしたのは歴史の事実で、日本政府には朝鮮人民に謝罪し、賠償する法的責任があると指摘した。

 前田教授は、「サンフランシスコ講和条約や2国間条約で解決したとの日本政府の主張はすでに2年前に覆され、国際法上の決着がついている。にも関わらず、この2年間に日本が何もしていない事実が浮き彫りになった」と指摘。国連決議を日本政府が速かに実行するよう運動を進めて行こうと訴えた。

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