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南朝鮮-市民団体が「議員不適格者名簿」


金鍾泌ら大物≠クらり
66人、一斉に反発、自民連は「陰謀論」

 南朝鮮の500余の市民団体が結成(12日)した「2000年総選挙市民連帯」(総選連帯)は24日、現・前職議員66人を「議員不適格者」として発表した。4月に投票が行われる第16代「国会議員」総選挙で、議員にふさわしくない候補者をふるい落とそうという運動の一環で、不適格者名簿の中には、自民連の金鍾泌名誉総裁や朴浚圭「国会議長」、与党民主党の重鎮と言われる権魯甲、金相賢、金泳三「政権」の青瓦台(大統領府)秘書室長を勤めた朴寛用ら「大物」が多数含まれている。不適格者名簿が発表される前、各政党は名簿を候補者選定の参考にするとしていたが、幹部らが名指しで非難されたことに当惑の色を隠せず、とくに自民連は、青瓦台が市民団体と組んで保守勢力を駆逐しようとしているという「陰謀論」を持ち出して反発している。なお総選連帯では、近日中に20人程度の名簿を追加発表する予定。

7項目の基準で選別

   総選連帯が調査したのは320余人の現・前職議員で、選別基準は(1)各種不正事件、権力型不正事件との連累(れんるい)事実 (2)選挙法違反行為 (3)反民主、反人権前歴 (4)議会活動の誠実性 (5)法案および政策に対する態度 (6)政治家としての基本資質が疑われるような反議会的、反有権的行為 (7)その他(財産登録の変動事項、兵役事項、公約事項など)

総選連帯が発表したリスト(1部)

  権魯甲 民・前・全国区 97年3月、韓宝グループから国政監査に手心を加えてくれるようにと、2億5,000万ウォンを受け取った嫌疑で起訴され、最高裁で懲役5年、追徴金2億5,000万ウォンを宣告される。

「野党時代、政治資金を調達するために仕方なかった。代価性はなく、個人的に使用したこともない。前代未聞の包括的収賄罪を適用されたのは、標的捜査」



  金鍾泌 自・現・忠清南道 61年5月16日の軍事クーデターを主導。中央情報部(KCIA、現「国家情報院」の前身)を創設して工作政治の時代を開き、初代情報部長に就任。共和党結成時の4大疑惑事件の主役。65年「韓日協定」締結過程で完全な過去の清算問題を放棄。80年当時、不正蓄財嫌疑で戒厳司令部に連行、調査の過程で不正蓄財が露呈。6・27地方自治体選挙で地域感情を助長。※現在、自民連の名誉総裁として、事実上の公選権を行使しているので、公選反対対象者というよりも名誉ある引退を勧告する。

「(自民連側の立場)数十年間、政治を行い、過去の功罪は、国民の十分な審判と検証を受けた。過去をすべて否定する思考は、国家の発展に助けとならない」



  金相賢 民・現・ソウル 韓宝不正事件と関連、韓宝グループから請託とともに5,000万ウォンを授受。2審で政治資金として無罪判決を受けたが、代表的な不正企業から金品を受け取ったことが問題。

「韓宝事件控訴審で無罪判決を受けたにもかかわらず、それを問題にするのは、公正さを欠いている。まったく問題にならないと思って釈明資料も提出しなかった。当時の事件の弁護士の中には、総選連帯側弁護士もいる」



  金守漢 韓・現・全国区 韓宝不正事件と関連、92年総選挙前に韓宝グループ会長から選挙資金として5,000万ウォンを授受。15代国会で、国会議長などの重責を担ったにもかかわらず法案発議がなかった。

「韓宝事件は、14代国会時代の問題で、15代総選挙ですでに審判を受けた。一言で言って、(落選名簿は)論評する価値がない」



  金潤煥 韓・現・慶尚北道 90年に亀尾市(金潤煥の選挙区)ショッピングセンター認可と関連して3億ウォン、92年にニューソウル住宅建設に160億ウォンの融資を斡旋した見返りに3億5,000万ウォン、96年にドゥウォングループ会長から33億5,000万ウォンを授受。国家保衛非常対策委員会(軍事クーデターで政権を握った全斗煥が80年5月に大統領の諮問・補佐機関として設置)立法会議の文教公報委員として活動した憲政秩序破壊前歴重鎮議員にもかかわらず、法案発議数4件で議会政治活動実績が不振。

「裁判が行われれば、十分に無罪を立証することができる事案を問題視しているのは、理屈に合わない。国家保衛立法会議参与を問題にするのは、歴史を否定することになる」



  朴寛用 韓・現・釜山 住宅賃貸事業活性化のための税制優遇など制度改善ができるよう力添えしてくれという請託とともに2億ウォンを授受した嫌疑で在宅起訴されたが、裁判不出席、延期要請など司法処理を遅延させている。

「市民団体の不適格基準に合うものは1つもない。市民団体に公式に釈明する機会を与えてくれるよう要求する。受け入れなければ、法的に対応する」



  朴相千 民・現・全羅南道 野党時代に代表発議したことがある特別検事制度を、法務部長官就任以後に翻した。法務部長官在職時に人権法制定と関連し、人権委員会を独立的国家機構として設置することに反対し特殊法人形態として設置、人権委が政府の統制を受けるようにした方案を推進した。野党時代、検察の政治的中立を主張した代表的国会議員にもかかわらず、法務部長官在職時代、司法改革の重要な時期に特別検事制度導入反対など検察の既得権を擁護、検察改革に事実上、失敗した。 

「見解が違うからと言って名簿に入れたのは不当だ。金のかからない選挙、安企部改革、令状のない盗聴禁止、未決囚の私服着用など改革のために悪戦苦闘していたとき、彼ら(市民団体)はどんな改革をしたのか」



  朴哲彦 自・現・大邱 スロットマシン事件で特定犯罪加重処罰法の斡旋収賄罪で逮捕、懲役1年6ヵ月と追徴金6億ウォンを宣告される。国家保衛非常対策委員会法制司法委員会委員として活動した憲政秩序破壊前歴。

「前回選挙の圧勝で、国民と有権者が無実をはらしてくれた。金泳三政権も結局、赦免・復権させざるをえなかった。政治報復という現実が嘆かわしい」



  鄭夢準 無・現・蔚山 92年の「大統領」選挙直前、釜山地域機関長が集まって選挙対策などを論議した事件と関連して犯人隠匿(いんとく)嫌疑で起訴(宣告猶予)。4年間、法案発議1件、欠席率82.46%。※ワールドカップ準備のために議員職を誠実に勤めることができなければ、選挙に出馬せず、ワールドカップ準備に専念することを勧告する。

「あの事件は不正選挙を暴露したもの。国会不出席は2002年ワールドカップ大会準備のため。不正選挙暴露やワールドカップ誘致は、逆に賞を与えるべきだ」