センサー/木造家具の出荷額減少


 たんすや食器棚など家庭用家具を中心に、木製家具の出荷額が落ち込んでいる。通産省の統計によると、1998年の出荷額合計は3259億円で、93年より29%も減少した。昨年は9月までで2325億円で、大和銀総合研究所では、前年実績をさらに割り込むとしている。

 同研究所によると、木製家具不振は、このところの経済・社会情勢や日本人のライフスタイルの大きな変化などが原因になっている。例えば、(1)住宅着工件数の減少と都市部住宅の居住空間の狭まり (2)作り付け家具の増加 (3)儀式的な「婚礼セット」への敬遠 (4)自由空間設計の流行 (5)安価な輸入品の浸透――などだ。

 ただ、一部にはヒット商品が出ており、北欧などの高級家具も人気が上昇していると指摘。顧客ニーズの吸収や居住空間コーディネートのサポート充実が、業界全体の取り組みとして求められるとしている。