視点


 最近、日本の新聞見出しにはほぼ毎日のように「北のミサイル」「テポドン」などの活字が載り、相変わらず「北の脅威」が煽られている。

 それも人工衛星打ち上げ計画とミサイル開発計画をごちゃまぜにして報じている。

 米国など大国のミサイルがこんなに問題になったことはない。まるで米国だけが「正義」かのような錯覚を与えている。

 常に米国からの「ミサイル脅威」にさらされている共和国にとって、米国は決して「正義」でなく「悪」である。この「悪」に対抗する防衛力強化のためミサイル開発をせざるを得なかった。

 しかし、共和国だけが一方的に「悪」かのような図式が出来ている。果たして共和国は国際法に違反する「悪」なのか。次の2人のコメントが明快な答えになっている。

 「1994年の米朝基本合意文には、ミサイルの開発・輸出を禁ずるとの項目が含まれていなかった。北朝鮮がミサイル実験をする行為は法律違反でなく、彼らの権利の枠内のことなのだ」(ドン・オーバードーファー元ワシントンポスト記者)。「(北朝鮮の)ミサイル計画そのものは法律や条約に違反するわけではない」(リチャード・アーミーテージ元米国防次官補)。

 つまり共和国は国際法に違反する悪いことは何もしていないのだ。

 近く、朝米ミサイル協議の再開が見込まれているが、ミサイル問題の本質がどこにあるのか、良く見極める必要があろう。(喜)