視点


 「訪朝前は正直なところ、『食糧難で生活も荒れているのでは』という不安があった。だが、実際に見てみると、共和国は想像以上に素晴らしい国であり、私が思ったところの『社会不安』もまったくなかった」

 沖縄社会大衆党の島袋宗康委員長(参院議員)は本紙記者に初訪朝の印象をこう語った。

 先月訪朝した島袋さんは、朝鮮半島を襲った台風の後で人々はさぞや落ち込んでいるのではと思っていたそうだが、逆に活気に溢れていたという。同じ話は、最近祖国を訪れた女性同盟のオモニたちからも聞いた。もちろん、経済的にはまだまだ大変な状況だが、人々の表情も明るく、雰囲気も落ち着いていたという。

 そう思ったのは同胞だけではない。毎年のように訪朝している米CNNのマイク・チノイ記者は、「平壌市内に限れば、電力の供給は正常化しており、町の動きも活発化しているようだ」と、共和国で経済復興が進んでいることを示唆した。彼が平壌から送ってきた映像にも、町の露店で食べ物を購入する市民や、プールで楽しそうに遊ぶ子供たちの姿が映し出されていた。この要因として諸外国からの食糧支援があるのは確かだ。

 だが、大きくは今年を「経済の年」と定め、中小型発電所や大規模発電所の建設などの電力問題対策、ジャガイモ増産などの様々な農業対策を立てていることが挙げられる。共和国の経済は徐々にだが復興のきざしを見せている。 (聖)