本社記者ルポ/汎民族統一大祭典


 【平壌発=本社記者文光善、崔憲治】1900年代最後の年である今年を民族の自主と大団結の年として輝かせ、祖国統一の新たな局面を切り開こうという、北、南、海外3者の熱意を集めて開幕した「民族の自主と大団結のための99統一大祭典・第10回汎民族大会」(汎民族統一大祭典)。10年目にして初めて、祖国統一汎民族連合(汎民連)南側本部の代表を迎え、3者連帯がようやく実現したことで、全民族の大団結で統一を1日も早く実現させたいという民族の固い意志を示した大会となった。

 

統一への固い意志を実感

南の代表拍手喝采/「南北はやっぱり一つ」

 板門閣前広場で15日に開かれた、民族の自主と大団結のための板門店3者連合大会と統一芸術祭。大きな拍手と歓声の中、海外から来た汎民連と祖国統一汎民族青年学生連合(汎青学連)の代表が入場した。

 汎民族大会旗の掲揚と共に、大会は始まった。

 多くの人たちが壇上で統一への思いを熱く語る中、汎青学連南側本部・「韓国大学総学生会連合」(「韓総連」)の黄ヘロ代表が演壇に登場。青年学生たちが統一第1世代としての責任感を持って、統一を目指すたたかいの先頭に立とうと力説した。

 大会の最中には、南の大学生と在野人士が、ソウル大で汎民族大会を開いたことが伝えられ、南の同胞の勇気あるたたかいぶりに大きな歓声が沸いた。

 少年団祝賀団が「われらの願い」を合唱すると、参加者は立ち上がって伴唱。統一への願いが一つの大きなうねりとなった瞬間であった。

 祭典最終日の16日、平壌市郊外にある大城山で、祭典に参加した北、南、海外代表らによる連帯の集いが開かれた。

 朝から雲一つない好天に恵まれたこの日、会場には長杖やケンガァリの軽快な音が響き渡り、民族衣装をまとった市民らが踊りの輪を広げた。一角では、板跳びや朝鮮相撲などの民俗遊戯も行われた。

 午前九時、集いはリズム体操で幕を開けた。先に平壌で行われた北南労働者サッカー大会と同じく、参加者を「連帯」と「連合」の2チームに振り分け、ボール運びや綱引きなど多彩な競技を楽しんだ。中でも、南からの参加者が出場すると、会場はどっと沸いた。このほか、各本部別の小公演やサーカス、民族舞踊なども行われ、会場は大いに盛り上がった。

 全国連合の姜亨求代表は、競技を心から楽しんでいる参加者の様子を見ながら、「これまで、北、南、海外の3者が集まることはなかっただけに、汎民族大会にこうして南の代表が参加できたのは、大変すばらしいことであり、画期的な出来事だと思う。統一は遠くないと実感した」と語った。

 同じく全国連合の朴祺洙代表は、南でも分断された状態で新たな1000年を迎えるのは恥ずかしいことだとして、99年を統一の転換的契機にしようと頑張っていると語り、「北に来て、南北はやっぱり1つなんだと感じた。今後も、民主労総などと共に『国家保安法』撤廃運動に拍車を掛けたい」と、決意を述べていた。

 

参加者の声

「夢でなく必ず実現できる」
「若い世代に精神伝えたい」
「1回目から欠かさず参加」

 朝青西東京八王子支部委員長の金台主さん(26)

 「1900年代最後の大会である今回、統一への思いはより切実なものとなった。民族が団結すれば統一は遠いものではないと確信した。日本に帰ってからも自らの役割を果たしたい」

 留学同京都・同志社大4年の李伸也さん(21)

 「今回、汎民族大会に初めて参加した。入場行進をしながら、統一は理想でも夢でもなく、必ず実現できるものだと実感した。若い世代が頑張らなければ」

 朝青広島県宇品班班長の韓誠二さん(29)

 「すべての参加者が真に統一を願っているということを強く感じた。熱い思いは自分にも伝わったし、統一実現のためにもっと努力しなければと思った」

 女性同盟千葉支部顧問の申粉南さん(69、非専従)

 「1990年の第1回大会から欠かさず参加してきた。10年経てば山河も変わるというが、この間に統一勢力はしっかりと成長してきた。統一は手を伸ばせば届く所まで来ている。統一した祖国を子供たちに渡してあげたいと切に思う」

 汎青学連日本地域本部代表の崔洋国さん(25)

 「今大会は、今年を統一運動の大転換を起こす年にしようという参加者の思いであふれていた。私たちは今年上半期に『国家保安法』撤廃運動を繰り広げた。統一を阻む保安法を必ずなくし、統一を1日も早く実現させたい。この場で感じたことを忘れず、これからの運動につなげたい」

 朝青大阪府生野西支部文化宣伝部長の高陽淑さん(25、非専従)

 「大会が回を数えるたびに、統一への思いが深まる。初めて3者連帯が実現したこの場に参加できてうれしい。日本の多くの人たちにこの思いを伝えたい」

 在カナダ僑胞のユン・ギョンホさん

 「8・15行事への参加は初めてだが、大変感動した。私たちの地域では今、良心囚釈放と『国家保安法』撤廃、連邦制統一支持を運動の主軸に据え、他の統一運動団体との連帯も強めている。これからも、祖国を支える若い世代に統一精神を伝えていきたい」

 汎民連欧州地域本部メンバーのハン・ゲイルさん

 「南からこれほど多くの人たちが参加するとは、どんなに素晴らしいことか。全民族が思想や理念、政見の違いを越えて互いに協力し合い、全力で統一を成し遂げなければならない」