各地で日校生サマースクール/東京ではサマーフェスティバル99


 日本の中学、高校に通う同胞生徒らの民族意識を育み、相互のネットワークを広げる「日校在学朝鮮人学生夏休み講習会(サマースクール)」が、7月末の京都・滋賀、兵庫の両ブロックに続いて4〜9日には北海道、5〜7日には関東・東北、7〜8日に東京、9〜11日に中四国・九州、10〜12日に大阪・奈良・和歌山の各ブロックごとに開かれた。

 東京では、これまで行ってきたリゾート地での合宿方式ではなく、都内の各朝鮮学校で1泊2日の「サマーフェスティバル99」として行われた。より多くの日校生の参加を促すとともに、動員活動を行った一般の朝青員らも多数参加することで、地域に根付いたネットワークを作り、今後の運動につなげようとの目的からだ。実際にこれまでの2倍近い180余人の日校生が参加した。

 初日、全参加者は東京・北区の東京朝鮮中高級学校に集合。東京朝鮮歌舞団の公演やテコンドーの演舞などを観覧した。また民族楽器演奏、民族工芸品作りなど、各教室に設置された体験コーナーで、楽しみながら民族の息吹に触れた。

 続いて文化会館では、日校在学朝鮮学生会のメンバーらによる演劇「プレゼント―未来からの贈り物」が上演された。学生会が毎年行う文化公演の準備過程を描いた演劇は、心の中にある劣等感を脱ぎ捨て、朝鮮人として堂々と生きていこうと呼びかけた。

 参加者らは夕方には管下5校の朝鮮学校に分かれて宿泊、翌日の昼頃、再び東京中高に集まった。

 運動会に続いて各支部学生会別の文化公演、そしてキャンプファイヤーが行われた。

 キャンプファイヤーでは、フォークダンスに続いて恒例のクホ(スローガン)タイム。「自分の居場所を学生会で見つけた」「同じ境遇に置かれた友達に出会い、勇気を得た」などと、それぞれの熱い思いを吐き出していた。

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 東京学生会の金永振会長(高3)は「自分が朝鮮人であることから目を逸らしてはいけない。同胞のトンムたちと一緒に朝鮮人として堂々と生きて行こう」と呼びかけた。

 また初めて参加した張聖忠君(中3)は「学生会に入って自分が朝鮮人だと自覚するようになり、それが楽しいことだと気付いた」と話していた。

 サマーフェスティバルの成功を支えたのは、400人を超える地域の朝青員、朝高生、朝大生たちだ。

 実行委員を務めた朝青葛飾支部の慎宣宏副委員長(26、非専従)は「朝鮮人として生きて行こうとする時、何よりも必要なのは同胞のトンムだ」と話す。そのためにも、日校生同士はもちろん、朝高生や地域の朝青員らもたくさん参加したサマーフェスティバルの意義は小さくないが、その真価は、「今後、地域での学生会の活動をいかに活性化させていくかにかかっている」(同)。