ピースボートが人道支援のセミナー/東京
市民団体ピースボート主催のセミナー「NGOによる北朝鮮人道支援」が7月17日、東京・高田馬場のシチズンプラザで開かれた。
マスコミ報道からは正確に伝わりにくい朝鮮半島の現状、南北の文化などを学び、交流を深めようとの趣旨から、ピースボート内で今春発足した「ONE KOREAチーム」が企画。共和国が水害被害に遭った1995年夏から支援を続けている日本国際ボランティアセンター(JVC)の熊岡路矢代表が講演した。
熊岡氏は、支援を始めた動機として、(1)自然災害による深刻な被害(2)植民地支配の加害国としての責任(3)世代交代が進む日朝の新たなチャンネルづくり――を挙げ、「政治に関係なく普通の人間として、隣人を助けたいとの思いから立ち上がった」と述べた。
続いて、実際に現地で食糧を手渡してきた立場から、共和国の食糧事情に言及し、「配給システムはしっかりしているが、何しろ配る物がない。96年夏の水害の際にも、キリスト教団体などの支援でかろうじて賄えた。年々良くなってはいるが、食糧はまだまだ足りない」と継続支援の必要性を強調した。
そして、今後も人道支援を続けることで、平和と友好のメッセージを伝えたいと語った。