神戸朝高、全面改修工事が着工/50周年記念プロジェクトの柱


 神戸朝鮮高級学校(兵庫・神戸市)改修工事の着工式が21日、同校グラウンドで行われた。

 改修工事は、4月に創立50周年を迎えた同校が1年間(2000年3月まで)行っている記念プロジェクトの柱。築33年の校舎、築35年の体育館など、老朽化が著しい同校の各施設を全面的に改修する。2億5000万円の予算は、神戸朝高創立50周年実行委員会が中心となり、同胞、卒業生らの募金で確保することになっている。改修工事のコンセプトは開放的で明るく楽しい学校。8月末には、イメージを一新した現代的な学校が生まれる予定だ。

 実行委員会では3月の第1回会議以来、「新たな世紀・新たな希望・新たな神戸朝高」のキャッチフレーズのもと、(1)民族教育のよさと正しさのアピール(2)21世紀に向けた民族教育の質的向上と環境づくり(3)卒業生らのネットワークづくり――を図るための多彩な50周年記念プロジェクトを展開している。

 この日は、着工式に続いて第2回会議が行われ、この4ヵ月間の活動についてまとめ、今後の課題について討議した。

 実行委はこの間、1泊2日の講習会をはじめ40回近くも話し合いを重ねながら「神戸朝高ニュース」やプロモーションビデオを作成、配布するなどの宣伝活動を行い、卒業生を中心にした県下同胞たちにプロジェクト内容を広くアピールしてきた。その結果、1期から45期までの各同窓会組織が活性化し、今年10の期が同窓会を、4つの期がチャリティーゴルフコンペを開くことになった。

 また6月には教育のレベルアップを図るための教員と生徒保護者らの教育懇談会を開き、市庁を訪れて民族教育の権利保障と同校の処遇改善を求めるなどの活動も行った。

 一方、改修工事のための募金運動も活発に行われている。オモニ会では2000万円をすでに集め、卒業生らも1口1万円運動を繰り広げている。また在校生らも各クラスごとに、様々な運動を行っている。50周年記念事業のロゴマーク募集にも生徒たちから400点以上の応募があった。

 今後、大規模な行事としては10月24日の記念式典(同校)と来年2月のコンサート(ポートピア劇場)がある。記念式典は50周年記念プロジェクトのメインイベントで、運動会と式典に続き、生徒と同胞らが共に楽しむ学園祭形式で盛大に行われる。コンサートには、神戸朝高卒業生である在日同胞指揮者、金洪才氏が出演する予定で、在校生300人の大合唱も予定している。

 ほかにも、対外公開授業(11月中旬)、記念写真集の発行、インターネット・ホームページ開設などを予定している。

 実行委員会の文弘宣会長は「限られた数人の力では、今後予定される膨大なプロジェクトを円滑に進めていくことはできない。実行委員、同胞たちが固く団結して1世同胞が作り守ってきた民族教育を発展させ、子供たちのためによりよい教育環境を整えよう」と呼びかけた。

 

 問い合わせ=神戸朝高創立50周年記念事業実行委員会事務局TEL 078−261−8145

 募金の振り込み先=朝銀近畿信用組合三宮支店(店番号002)普通[1053848]口座名[50周年事務局]