視点


 近所のフリーマーケットに何度か出店したことがある。公園や広場、公共施設などで、自宅にある不用品をほしい人に安く分けてあげるのだ。衣類、アクセサリー、食器、CDなど、とにかく何でも売ってよい。

 ただし、利益を上げるだけが目的ではないから、値段はとても安い。それでも値切ってくる人はいるが、そのやりとりがまた楽しい。都会では隣近所のつきあいが少なくなっているが、コミュニケーションをはかる格好の場にもなっている。

 都内では週末になると必ずどこかでフリーマーケットが開かれる。いまや完全に市民権を得た感じだ。筆者もすっかりとりこになってしまい、服や日用品はもっぱらここで仕入れることにしている。安くて良い物が手に入ることが多いからだ。

 このブームの背景にあるのがリサイクル精神。物を大切にし、何でも再利用しようというわけだ。例えば、ビンやペットボトル、アルミ缶などはもちろん、新聞紙、牛乳パックなどを再利用して作ったノートやトイレットペーパーなどのリサイクル商品も市場に出回っている。これは地球の資源を大切にすることにもつながる。

 東京・杉並の東京朝鮮第9初級学校のフリーマーケットをのぞいたことがある。食べ物の売店とともに、古着や食器、台所用品などがたくさん並べられていた。

 収益金はすべて学校側に寄付されるという。物を大切にしながら、ウリ学校を支援する。すばらしい発想だ。(聖)