共和国の仏教(6)僧侶の育成/金日成総合大と仏教学院で


 共和国では、新人僧侶をどのように育成しているのか。 僧侶になるにはまず金日成総合大学の宗教学科に入って学ぶ。金日成主席の指導で1989年6月17日、同大歴史学部に宗教学科が設置され、90年から学生を募ってきた。

 同学科は5年制で、仏教以外にもキリスト教など他の宗教を学ぶセクションがある。仏教科では約50人が学んでいる。95年から毎年10人の卒業生を輩出してきた。

 講義は理論と実技に分けられる。理論講義は宗教学科の教員が行い、実技、とくに葬祭行事に関する講義は朝鮮仏教徒連盟(仏連)の教養部から派遣された僧侶が行う。冠婚葬祭の葬祭(葬儀と祖先の祭典)の部分を教える。葬祭行事は共和国でも重視されているからだ。

 金日成総合大学を卒業した後、仏連内にある「仏教学院」でさらに3年間学ぶ。

 内容は、1年生が仏教史、仏教儀式。2年生が朝鮮仏教史、仏教教理、仏教儀式、仏教風習、金剛経、忌辰(忌日)論。3年生が仏教教理、仏教儀式と風習、華厳経、法華経、仏教哲学、仏教経典解説などだ。

 合わせて8年の勉強(修行)期間を経て、僧侶誕生となる。