視点
朝鮮問題と関連して2つの重要な会談が最近、行われた。北京での南北副相級会談と、板門店での朝米軍部将官級会談だ。北京では6月22日と26日、7月1日の3回と3日の団長個別接触があり、板門店では6月15日と22日、2日の3回行われた。
共通の討議対象は南朝鮮艦船が共和国領海に侵犯し、共和国艦船を沈没、破損させた6月15日の西海事件である。日本マスコミは、共和国がかたくなな態度をとっているように報じたが、朝鮮中央通信の内容を吟味すると、逆に何とか話し合いで解決しようとの姿勢が読み取れる。
北京会談では当初、謝罪を求め、次に納得のいく措置、回答を求めた。しかし、南側は責任回避に終始、合意済みの肥料提供に条件を持ちだして拒否し、離散家族問題の討議にのみ固執した。
確かに離散家族問題は会談の議題だが、会談の1週間前に発生した西海事件について責任を明らかにしておく必要があった。というのは、南北の対決状態が厳しくなる中で交渉のテーブルに着いてもかえって不信感がつのり成果は期待できないからだ。これまでの南北対話の教訓でもある。
板門店会談で北側は、一方的に設定された「北方限界線」を撤回すれば、停戦協定と国際法に基づいて軍事海上境界線を再確定できるなどの5提案をしたが、米軍は提案討議に応じなかった。
共和国は甚大な被害にも関わらず「強い忍耐力と自制力」で事件の拡大を防いでいる。 (喜)