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東海・北信「生活と権利シンポ」/結婚・就職・福祉テーマに


 東海・北信地方の同胞らを対象にした「在日同胞の生活と権利シンポジウム―民族性、結婚、就職、福祉―その現況と課題」が3日、愛知・名古屋市内で開かれた。東海・北信実行委員会(委員長=金鎭度総聯愛知県本部委員長)が主催し、同胞ら約300人が参加した。昨年五月の総聯18全大会で打ち出した生活・権利重視の方針を今後どのように具現していくかという方途を、同胞らの声の中から探ろうというもの。昨年11月から東京、京都(近畿)、福岡(九州)、広島(中・四国)で開かれている。(関連記事)

 シンポジウム第1部では、結婚、就職、福祉の各問題を取り巻く同胞社会の現状と同胞たちの声がビデオ映像で紹介された。

 2部では、総聯中央同胞生活局の柳光守局長、同胞結婚相談中央センターの魏正所長、愛知県商工会の李治雄副理事長、花園大学の愼英弘助教授がパネリストを務め、実行委員会が同地域の同胞らを対象に事前に行ったアンケート調査の結果をもとにディスカッションを行った。

 結婚問題について会場からは、同胞人口が少ない福井などで同胞同士の結婚や再婚が成立しにくい実情が報告された。これに対し魏所長は、同じように同胞人口の少ない東北、北海道地方で過去3年間、毎月、結婚相談所所長会議を開いて情報交換に努め、「出会いのパーティー」などのイベントを共同で開くことで成果をあげていると述べた。

 就職問題に関しては、会場にいた愛知中高や留学同東海の当事者から、高卒、大卒者の就職が困難になっていると実情が指摘された。これについて李副理事長は地域でも専門的な機関や窓口を設けて組織的に対処する必要があると強調した。

 福祉問題について発言した愼助教授は、同胞高齢者は行政の福祉サービスを受ける機会が少ないと指摘。その原因について(1)福祉サービスの情報に触れる場が少ない(2)植民地時代を経験している1世は日本の行政に不信感がある(3)行政が福祉サービスの内容をきちんと知らせない――などをあげた。会場では、日本福祉大学で社会福祉を学ぶ朴栄和さん、名古屋市の医師、南洋二さん、介護用品のレンタル業を営む趙一来さんらが、同胞たちが高齢者、障害者の問題にもっと関心を持ち、自分自身の問題として考えていこうと呼びかけた。

 シンポではまた、昨年12月にオープンした東海トンポ法律・生活相談センターの事業案内、中央および各県の結婚相談所が新たに導入したテレビ電話お見合いシステムに関する説明が行われた。