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視点


 ある場所で、「私の名前は○○。朝鮮人です」と日本語で自己紹介した時の話。日本の人から、「日本語はどこで覚えたの」と聞かれとまどってしまったことがある。その人は在日同胞の存在を知らず、私を本国から来た人間と思ったらしい。

 「大学に入るまでは在日朝鮮人のことを何も知らなかった。1年の時のシンポジウムで話を聞いて驚き、周りの友達に聞いてみたらみな何も知らなかった。そこで、知るための場が必要だと思った」。恵泉女学園大4年生はこう話す。

 6月下旬、留学同西東京に属する同胞学生と日本人大学生が東京朝鮮中高級学校を見学した時のことだ。見学者は朝・日合わせて70人。うち、7割の50人が朝鮮学校を初めて訪れた日本人学生だ。

 「朝鮮学校についてもっと閉鎖的なイメージを持っていた」と語る津田塾大2年生は、授業を見学し、生徒たちと話し合う過程で、「広い視野を持っている」とイメージも全く変わったそうだ。

 その気持ちは朝鮮の若者たちも同じ。日本人学生らとの座談会に参加した朝高3年生は、「日本の人たちが私たちをどう見ているのかを知る機会になった」と語った。

 知らないために誤解が生まれてしまうことは少なくない。だからこそ、互いにもっとよく知ることが大切なのだ。

 今後は日本の若者たちの朝鮮大学校訪問も予定されている。学生時代から交流を深めれば、社会人になっても良い関係を続けていける。 (聖)