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第8回在日朝鮮学生中央ピアノコンクール


 第8回在日朝鮮学生中央ピアノコンクールが6月25、26の両日、神戸市立灘区民ホールで行われた。

 今大会には各地の朝鮮学校から159人の応募があり、その中から5つのブロック別地方コンクールを通過した34人の生徒らが参加。朝鮮の曲(課題曲)とクラシック(自由曲)で演奏技術を競った。

 大会は、生徒らがピアノ演奏でも民族性を表現できるようにすることを目的の一つにしている。朝鮮の曲の演奏において、独特のリズム(チャンダン)やメロディーの味わいを技巧、表現力の両面で身に付けるよう奨励してきた。

 今回は、初級部低学年部門で李沙知さん(北大阪初中3年)、初級部高学年部門で朴琴香さん(静岡初中4年)、中級部部門で許玲和さん(北九州初中1年)、高級部部門で姜愛玲さん(東京中高3年)が、それぞれ金賞を受賞した。

 課題曲でキム・ジノの「金正日花」、自由曲でハイドンの「ソナタ62」を演奏した姜さんは、「祖国を訪れた時に見た美しい山河と、勤勉で力強い祖国の人々の姿から感じたことを表現しようと頑張った」と話していた。

 

講評要旨

高まった朝鮮の曲への関心/盧相鉉審査委員長

 コンクールも8回を重ね、朝鮮の曲、とくに独特のリズムであるチャンダンを生かしたピアノ曲の演奏を奨励するという趣旨が、生徒と父母、関係者の間に浸透して来た様子がうかがえる。

 少なからぬ生徒が、課題曲として提示された朝鮮の曲の中から、より民族色が濃く、チャンダンが含まれた曲を選ぶ傾向が見られる。

 朝鮮の曲に対する生徒らの関心が高まったことは、金剛山歌劇団や各地方の朝鮮歌舞団の公演、朝鮮学校の音楽教育、芸術サークル活動において、朝鮮の音楽が広く普及し、また当事者たちが目的意識をもってチャンダンを取り上げて来た結果だと言える。

 コンクールに参加した生徒らが、朝鮮の音楽により親しみ、同胞社会に朝鮮の曲を広めて行くうえで先頭に立ってくれれば何よりだろう。(朝鮮大学校教育学部助教授)