共和国の仏教(3)正方山成仏寺/朝鮮最古の木造建築
黄海北道の名峰正方山には、高麗時代に築かれた堅固な山城が残っている。周囲は12キロメートル、高さ5.6メートルの城壁をめぐらしている。
その正方山城の南門を通り、小さな渓流に沿って登ること200メートルの絶景の場所に位置しているのが正方山成仏寺(チョンバンサンソンブルサ)である。
成仏とは、煩悩(ぼんのう)を解脱し、悟りを開いて仏となることを意味する。つまり、修行をへて仏となることである。
仏教は、成仏をめざす宗教だ。言い換えれば、成仏するためにはどうしたら良いのかを説いている。
だが、成仏寺のいわれが成仏と関係あるかどうかは定かではない。
最初に建てられたのは898年。現在の建物は高麗時代に建てられた應真殿と極楽殿、李朝時代に建てられた冥府殿、清風楼、雲霞殿など6棟の建物、高麗中期に建てられた古色豊かな五層の石塔からなる。
他の寺と同様、朝鮮戦争(1950〜53年)時に米軍の爆撃で破壊されたが、57年に現状どおり復元された。
爆撃からまぬがれた應真殿は、現存する朝鮮最古の木造建築物として知られている。