祖国平和統一委員会の公開質問状
祖国平和統一委員会(祖統委)書記局は6月29日の公開質問状で、南北高位級政治会談開催のための先行実践事項が履行期限の上半期が終わる今も実践されていないと指摘し、(1)外勢との反北「共助」を続けるのか(2)あくまで連北を遮断するのか(3)統一運動団体・人士を弾圧する南当局者に統一への念願はあるのか(4)対決か対話か、戦争か平和か――と問い質した。先行実践事項の履行は統一対話のための根本要求であり、南北高位級政治会談が実現しない責任は全面的に先行実践事項から目を背ける南側にある。質問状の4項目について見た。
北が示した先行実践事項は、反北外勢との「共助」破棄と合同軍事演習中止、「国家保安法」撤廃、統一愛国団体と人士の統一運動と活動の自由保障――だ。2月3日の共和国政府・政党・団体連合会議では、南がこれらを上半期までに履行したうえで、下半期に南北高位級政治会談を開催しようと提案された。
祖統委は質問状で、北は先行実践事項さえ履行されれば下半期ではなく上半期にも開催可能であるとの積極的な意思も表明したと述べ、先行実践事項を履行しろというのは、権力を明け渡せということでも、制度を捨てろということでもなく、今からでも外勢依存的で反民族的な立場を捨てて民族自主・大団結の道に進めということだと指摘した。
そして、南当局者が真に和解と対話に関心を払っていれば履行できない理由はないと強調した。
反北「共助」続けるのか
質問状ではまず「外勢との反北『共助』を続けるのか」と問い質した。
南当局は連合会議での提案以降も米日と結託して同族に反対し、「地下核施設疑惑」や「ミサイル問題」をもって南北関係改善に逆行する道を進んでいる。
とくに、反北戦争挑発である合同軍事演習は中止される気配がまったくない。「韓米連合軍司令部」による「連合戦時増援演習」が4月に1週間強行されたのに続き、6月末には在日米軍横須賀基地から釜山港に入港した米巡洋艦ビンセンス、モービルベイの2隻と南海軍の合同訓練が行われた。さらに8月2日から1週間、日本の自衛隊と合同で、済州島の東側公海上で「海上救助訓練」の名目による軍事演習が行われる。
連北遮断するのか
質問状では次に「南当局者はあくまでも連北を遮断するのか」と指摘した。保安法撤廃問題を指すものだが撤廃の兆しは見えない。
新「政権」が発足した昨年2月以降の保安法違反容疑での逮捕者数は1日平均1.24人で、前「政権」時の6倍にも上る。さらに、保安法違反で逮捕された人たちは「特赦」から除外され、釈放の際にも思想転向の強要である順法誓約書を書かされることとなる。
保安法制定50周年に当たる昨年12月1日にハンギョレ新聞が実施した世論調査では、市民の78%が「撤廃・改正が必要」との見解を示しており、弁護士や学者では90%以上が同意見だった。これは、保安法の存続を望まない民心の表れと言えよう。
統一への念願あるのか
質問状にはさらに「統一運動団体・人士を弾圧する南当局者に統一への念願はあるのか」とある。
南当局は、3月の祖国統一汎民族連合(汎民連)共同議長団会議や5月の祖国統一汎民族青年学生連合(汎青学連)共同議長団会議への南側代表の参加を阻み、6月には北、南、海外青年学生実務会談の板門店開催を妨害した。「韓国大学総学生会連合」(「韓総連」)に対しても、代議員大会を源泉封鎖するなど、依然「利敵団体」扱いだ。
さらに、6月26日に平壌で行われた「白凡・金九先生回顧の集い」への参加を表明した申昌均・汎民連南側本部名誉議長の訪北を阻んだほか、6月1日に中国で行われた「文益煥牧師追悼の集い」への参加が不許可になった民主主義民族統一全国連合(全国連合)の洪根洙共同議長ら四人が参加を強行するや、南に帰った直後に逮捕している。
戦争か平和か
質問状では最後に「対決か対話か、戦争か平和か」と強調したが、南当局が反北対決・戦争の道に進んでいることは明らかだ。
6月15日には、南の海軍艦艇が朝鮮西海上で、共和国領海を侵犯して軍事衝突事件を起こした。さらに南当局は、米国の第2の朝鮮侵略戦争計画「作戦計画5027−98」に従って、米国と結託して北侵戦争の火を付けようと企んでいる。