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視点


 最近の南北間の一連の出来事をとらえて朝日新聞6月29日付は、「北風に陰る太陽政策」と、南当局の対北政策について書いた。

 「太陽政策」とは、北との交流・協力を進めて、改革・開放に向かうようにするもの。その狙いは「改革・開放」を通じて社会主義体制を資本主義体制へと移行させることにある。

 それゆえ北からは再三「北侵統一」を企む形を変えた対北対決姿勢と批判、拒否されてきた。つまり元から陰っていたといえよう。

 そこには北が主張する民族の自主や大団結の精神は見られない。反対に外勢をバックに、同胞である北と対峙しようとしている。ことある度に米日との「結束」=「共助」を求めるため対立と緊張が高まる要因となっている。西海での武力衝突事件はこうした流れの中で起こったといえる。

 北はさる2月、政府・政党・団体の連合会議を開き、今年下半期に南北高位級政治会談を開こうと南に提案した。その先行実践事項として(1)北に反対する外勢との「共助」破棄、合同軍事演習の中止(2)「国家保安法」の撤廃(3)統一団体と人士の統一運動の自由保障などを上半期に解決するよう求めていた。これらは対話を対決の場ではなく、統一志向的なものにするための不可欠要素だ。

 提案から5月。もう上半期は終わった。南は北に「改革・開放」を迫るだけで、北の提案には具体的に応えず自らは変化する姿勢を一向に見せようとはしない。(喜)