日本の大学生ら東京中高を見学/JAKSNが主催
留学同西東京と日本人大学生らによるJAKSN(Japanese And Korean Students Network)主催の東京朝鮮中高級学校見学会が6月26日、行われた。参加したのは朝・日合わせて70余人で、そのうち50人近くが初めて朝鮮学校を訪れた日本人学生だ。参加者らは、授業参観やクラブ活動の見学、生徒との座談会などを通じて、民族教育と在日同胞社会に対する理解を深めていた。 (東)
舞踊部などに大喜び
一行はまず、校内を自由に回り、高級部各クラスの授業を参観した。授業参観といっても、普段どおりにリラックスした生徒たちの雰囲気に、好感を持った参加者も多かった。
授業参観後は食堂兼多目的ホールで、朝鮮学校の処遇問題や同校の歩みをまとめたビデオを観賞し、李昌興教員の話を聞いた。質疑応答には高級部3年生6人も参加し、学校の現状や在日同胞社会などに関する質問に答えた。
参加者らは次に、生徒らの案内で朝鮮舞踊、合唱、民族器楽、空手、テコンドー、バレーボール、バスケットボール、新体操などのクラブ活動を見学した。舞踊や合唱、空手、テコンドーの各部では作品や演武が披露され、参加者らは大喜び。舞踊の高い技量や美しいコーラス、力強い武道の技に、大きな拍手が送られた。
自分を肯定できる場
見学会の締めは、再び食堂兼多目的ホールに場所を移しての感想会。学生たちは3つのグループに分かれ、感想を話し合った。朝高生も1人ずつ入り、質問に答えたり意見を述べた。
民族に誇りを持つということは? 真の交流とは? 歴史認識に違いは? 朝鮮学校処遇の問題点は?…など、各グループとも話題は多岐にわたったが、一致した意見は「来てよかった」ということだった。在日朝鮮人問題に対する理解程度は様々だが、やはり直接現場を見て当事者と触れ合うことが大切なようだ。
津田塾大2年の類家葉月さんは「朝鮮学校についてもっと閉鎖的なイメージを持っていたが、授業を見学したり生徒たちと話してみると、考えているより広い視野を持っているようで、全くイメージが変わった。民族性を大切にしていることがよく分かったし、みんな一緒に和気あいあいとやっている姿が自分の通っていた高校とあまりにも違ったのでうらやましく思えた」と話していた。
「日本の学校では自分のアイデンティティを肯定する場がまったくなかった。朝鮮学校に通える在日同胞の子供たちはラッキーだと思う」と語る日本学校出身の同胞学生もいた。
理解と交流深めよう
JAKSNは、在日同胞学生と日本人学生との間で理解と交流を深めることを目的に1997年に結成された。西東京地区の大学を中心に、幅広い学生が参加している。
2月には在日朝鮮人の歴史に関する学習会、5月には今回の見学会に向けて朝鮮学校の処遇問題に関する事前学習会を行った。
JAKSN朝鮮人学生側代表で東京女子大3年の崔誠姫さんは、「学習会などは行ってきたが、やはり実際に現場を見ないと分からないだろうと思い今日のイベントを企画した。参加者も多く、成功だったと思う。朝鮮学校出身の自分自身が、民族教育のよさを再認識するいいきっかけにもなった。今後も様々なイベントを企画し、輪を広げていきたい」と話していた。
日本人学生側代表で恵泉女学園大4年の岩田美香さんは「大学に入るまでは在日朝鮮人のことを何も知らなかった。1年の時、何かのシンポジウムで話を聞いて驚き、周りの友達に聞いてみたらみな何も知らなかった。そこで、知るための場が必要だと思い、JAKSNの活動に参加するようになった」と語る。
8月には海水浴、9月には朝大生も交えて討論会を行う予定だ。