氷河期 生き残り模索/商工連遊技業研究会、7月にパチンコセミナー開催
商工連同胞遊技業研究会は7月21、22の2日間にわたり、「同胞遊技業経営セミナー」を開く。景気が低迷する中、パチンコ業界では生き残りをかけたし烈な競争が繰り広げられている。同セミナーは、中小規模の同胞業者を主な対象に、競争を勝ち抜く道筋を見出だす機会を設けようと企画された。
「氷河期」と言われる業界の現状などを見る。
業界現況
「勝ち・負け」進む二極化
大手攻勢で競争し烈に
かつて一貫して規模を拡大してきたパチンコ市場だが、貸玉料の総計が26兆3000億円を超えた1995年を境に、下降線をたどっている。
財団法人・余暇開発センターの「レジャー白書99」によれば、98年の余暇市場の規模はスポーツ、趣味・創作、娯楽、観光など全体で80兆1010億円。前年比で2.1%の縮小で、3年続けてのマイナス成長となった。
そのうち、パチンコ市場の規模は20兆9600億円で対前年で4.1%減少となり、やはり3年連続のマイナスとなった(ちなみに、パチンコ店の粗利率はおおむね売上の10〜15%と言われる)。
客1人当たりの年平均使用額が伸びている反面、参加人口は前年比で14.6%減っており、客足の落ち込みは深刻だ。
人気機種の規制やパチンコ依存症を巡る事件の多発など、ここ数年に起きた様々な社会現象が、ファン層の狭まりにつながっているようだ。
パチンコ業界では、96年に負債額が100億円を超える大型倒産が相次ぎ、「経営危機」が騒がれ出した。
しかし、こうした過剰な出店投資を原因とするバブル型倒産は次第に減り、代わりに競争激化・金融機関の貸渋りの中で、資金繰りに行き詰まって倒産するケースが顕著になっている。
資金力のある大手チェーンが続々と出店して体力のない中小業者を淘汰して行く、「勝ち組」と「負け組」の二極化現象の表れだ。
市場規模は下降線を辿りながらも、96年の7.5%、97年の10.3%に比べ、昨年は落ち込みの幅は狭まってはいる。それでも、「二極化」の流れの中で、先行きに明るさを感じる向きは少ないようだ。
体力的に不利な中小業者は、台構成での大型店との差別化、会員制の取り入れやイベントの企画、経費削減など、工夫を重ねて生き残りを図っている。しかしながら、大手と中小との格差は拡大しているのが現状だ。
最近では、営業時間・休日・パチスロ台数規制など、業界の自主規制緩和が進む動きも見られ、競争に拍車がかかりそうな気配だ。
成熟型経営への転換を
戦略構築へ幅広い講師陣
遊技業研究会は、「明日をどう生きるか、業者が求めているテーマはまさにそれだ」「中小業者にとって、倒産の危機感は身に迫るものだ」との厳しい現状認識に立って、セミナー開催準備を進めている。
パチンコ市場が「成長市場」から「成熟市場」へと移行した今、土地などの含み資産への依存体質を脱却し、資産を効率良く活用してスピーディーに利益を生み出す経営への転換が求められている――セミナー開催に際しての、研究会のうたい文句だ。
セミナーでは、激動の時代を生き抜いて来た1、2世の貴重な教訓に学ぶとともに、競争を勝ち抜く経営戦略・ノウハウを模索しようと幅広い講師陣を揃えている。
研究会では、「セミナーを、厳しい現状への能動的な対処を助ける意義ある場にしたい。多くの同胞業者が積極的に参加して欲しい」と呼びかけている。
同胞遊技業経営セミナー
7月21日(水)〜22日(木)
会場:浅草ビューホテル(東京)
参加費:3万5000円(宿泊費別)
21日 | 講演 | 「私が見てきた遊技業界の歩みと展望」 (株)大都製作所 会長 李奉国 |
講演 | 「生き抜くためのパチンコ店経営」 (株)ビジネスコンサルタント マネージングコーディーネーター 佐藤幸男 |
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パネル ディスカッション |
「自店の経営戦略について」 | |
宴会と交流会 | ||
22日 | 講演 | 今後の業界動向について |
講演 | 「財務リストラクチャリングの知恵と戦略」 公認会計士、(株)プロジェクト 蓮見正純 |
※一部変更の場合があります
主催:在日本朝鮮人商工連合会 同胞遊技業研究会
問い合わせ:商工連合会商工部
TEL 03−3844−4111
FAX 03−3844−3430