視点
ペリー訪朝(5月25〜28日)をどう評価するか。米国の見方は同氏の言葉から明白だ。「歴代の米国の最高の代表団に対して、北朝鮮は温かく迎え、最高のもてなしをしてくれた」(朝日新聞5月30日付)。
「米大統領特使」を、共和国は「国家を代表」する最高人民会議常任委員会の金永南委員長をはじめ党と政府、軍の要人らが会見・会談し予想以上の厚遇ぶりを示した。訪朝後、米日南が5月29日にソウルで発表した共同新聞発表は、「米朝間の率直かつ真しで広範な対話と、米代表団が北朝鮮で受けた厚遇を評価し、北朝鮮との対話が今後も継続することを期待する」と指摘、日本と南朝鮮も成果に同意した。
対話継続は共和国も望むところだ。軍事力による対北圧殺政策では対立と緊張が激化し、平和と安定を脅かすだけだ。
朝米間には双方の十分な討議を経て採択した基本合意文(94年10月)がある。これは対決ではなく対話によって朝鮮半島の核問題を解決し、双方の政治・経済関係の完全な正常化などを目指すものだ。しかし米国が共和国の「地下施設疑惑」やミサイル問題を騒ぎ、破棄まで示唆したため一時、緊張が高まったが、今回の訪朝で改めて遵守・履行が確認された。
ペリー訪朝と同じ日に金永南委員長の訪中が発表された。偶然ではないだろう。共和国の外交・統一政策がグローバルに展開されようとしている。次は南朝鮮と日本か。(喜)