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視点


 新しい日米防衛協力のための指針(ガイドライン)関連法案が5月24日、さしたる混乱もないまますんなり成立した。中曽根元首相はこの日、有事法制整備を急ぐべきだと危険極まりない発言をした。

 中曽根発言に見るまでもなく、日本政府が次に目論んでいるのは有事法制の整備だ。防衛庁首脳もガイドライン関連法案成立後は有事法制が次の課題になるとの見方を示した。

 昨年8月の共和国の人工衛星打ち上げを受けて自民党内に発足された「危機管理プロジェクトチーム」は、すでに有事法制の検討を始めている。

 いわゆる「北の核疑惑」騒動で朝鮮半島情勢が緊迫していた1994年前半、日本政府は「朝鮮半島有事」を想定し、有事法制の国会審議、破壊活動防止法(破防法)による総聯の解散指定などを盛り込んだ五段階の「危機対応計画案」を作成していた。これはつまり、総聯や在日同胞に対する弾圧が有事法制整備とセットになっていることを示すものだ。

 「朝鮮総聯は暴力主義的破壊活動を行う危険性があり、現在もその動向について鋭意調査を行っている」。木藤公安調査庁長官のこの発言に見るまでもなく、日本政府が有事法制整備の過程で常に視野に入れているのは総聯と在日同胞である。

 総聯と在日同胞を引き続き治安の対象にし、その活動を日常的に監視・規制し、有事の際に全面弾圧する企図は、決して許されない。(聖)