民族大団結で統一へ/90年代の歩み(18)
南北高位級政治会談開催提案(1999年2月3日)
統一の新たな局面を
1999年2月3日、共和国政府・政党・団体連合会議が平壌で開かれ、南北高位級政治会談の開催が提案された。実現すれば、北京での副部長級会談(98年4月)以来の当局間対話となる。
会議では、民族の自主と大団結で統一の新たな局面を切り開くことが討議された。
朝鮮労働党の金容淳書記は報告で、当局であれ民間人であれ民族の運命を心配するすべての人が、思想と制度の違いを越えて団結した力で戦争の危険を防ぎ、統一と繁栄の新世紀を迎えることが、朝鮮人民に課せられた最も切実な民族共同の任務だと述べた。
そして、南北の当局と内外の政党、団体が今年を「民族の自主と大団結の年」に定め、祖国統一3大原則を忠実に履行し、1日も早く当局会談を含む南北間の幅広い対話を行うための対策を提起。反北外勢との「共助」破棄と合同軍事演習の中止、「国家保安法」撤廃、統一愛国団体と人士の統一運動と活動の自由保障という先行実践事項を南側が今年上半期中に解決したうえで、下半期に南北高位級政治会談を開催することを提案した。さらに、会談では南北合意書の履行対策が基本議題になるべきであり、北が久しい前から提起してきた協力・交流問題や、離散した家族や親戚の苦痛を癒す問題も協議できると指摘した。
この提案には、外勢の戦争挑発に民族大団結で立ち向かい、民族の力で戦争を回避する意図が込められている。
先行実践事項も同族との団結を促すものだ。民族自身の問題である国の統一問題に外勢が関与する余地はなく、外勢との「共助」は同族対立の追求としか言えない。また、米国との合同軍事演習は北侵を想定した戦争演習であり、同族への最大の挑戦となる。さらに、同族を「主敵」と規定する保安法がある限り、幅広い対話と交流は難しい。
南は、北の提案を「評価する」としながらも「無条件対話」を唱え、先行実践事項の履行には背を向けている。
一方の北は、祖国平和統一委員会スポークスマンが2月8日、「先行実践事項が履行されれば、南北間には対話がいつ開かれても構わない」と述べたのに続き、3月11日には労働新聞が論評で「南当局者が先行実践事項を速やかに履行すれば、上半期中にも対話を行う立場だ」と述べ、上半期に時期を早めるなど、会談実現に意欲的だ。
当局間対話を一日も早く再開させたいという北の意思は明白だ。あとは、南が先行実践事項の履行をもって、対話再開の意思を示すかにかかっている。 (根)=おわり