人権協会、参院法務委などに外登法の抜本的改正を要請
在日本朝鮮人人権協会の代表らは17日、外国人登録法の一部改定案が今国会で審議されていることと関連して参議院法務委員会と法務省入国監理局を訪れ、外登法の抜本的改正を要請した。
政府が提出し、現在参院で審議中の改定案は(1)非永住者に対する指紋押捺制度の廃止(2)永住者の登録事項から「職業」と「勤務先などの名称、所在地」の削除(3)登録切替期間の延長(5年ごとから7年ごとに)など登録事項の一部削除――などを主な内容としている。
趙纒怏長ら代表一行は、参議院議員会館で荒木清寛・参議院法務委員長(公明)らと面会し、陣内孝雄法相あての要請書と、63年に登録証の常時携帯義務違反で逮捕、起訴され有罪判決を受けたことのある李貞江さん(58、東京・北区在住)からの書面によるメッセージと資料などを手渡した。
一行は、今回の改定案には在日同胞をはじめ内外の世論が一致して求めている登録証の常時携帯・提示義務と違反した際の重罰制度の廃止が盛り込まれていないと指摘した。そして1992年の前回改定時、「人権尊重」の方向で「施行から5年経過後に速やかに適切な措置を講じる」とした付帯決議が国会で採択され、国連・規約人権委員会が93年と98年、外登法の常時携帯義務と刑罰制度は国際人権規約違反だとして同法の廃止を勧告したことについて言及し、同法の抜本的改正を求めた。
李さんはメッセージで「常時携帯義務がなかったらどんなに精神的に楽か。本当に負担に感じます。私は、このような精神的苦痛を新しい世代の同胞には二度と経験させたくありません」と訴えている。
荒木委員長は、「特別永住者について言えば、常時携帯義務を強要する合法的根拠はすでにない。今後、この問題が焦点となるだろう。努力したい」と答えた。