民族大団結で統一へ/90年代の歩み(16)
民族大団結5大方針(1998年4月18日)
外勢を排し自主性を固守
金正日総書記は、1998年4月20日に平壌で開かれた南北連席会議50周年記念中央研究討論会あてに送った、同18日付書簡「全民族が大団結して祖国の自主的平和統一を成し遂げよう」の中で、祖国統一のための民族大団結5大方針を示した。
97年8月4日に総書記が発表した論文「偉大な領袖金日成同志の祖国統一遺訓を徹底的に貫徹しよう」では、祖国統一3大原則、全民族大団結10大綱領、高麗民主連邦共和国創立方案の祖国統一3大憲章に基づいた統一実現がうたわれたが、書簡はこれを踏まえ、民族大団結の実現における問題として民族大団結5大方針が示されている。
5大方針の(1)は「民族自主の原則を堅持」することだ。民族自主とは外勢に頼らず民族自身の力で民族内部の問題を解決することであり、民族自主の原則は全民族大団結の基礎の基礎だ。国の統一問題はまさしく民族の問題であり、民族自主の原則に基づいてこそ統一を実現できる。
(2)は「愛国愛族の旗印の下に団結」することだ。愛国愛族の精神は単一民族としての共通性の旗印で、民族内部には異なる階級、階層があり、要求と利害関係も異なるが、今日、提起されている祖国統一は愛国愛族の旗印の下に団結しなければ実現できない。 (3)では「南北関係の改善」をうたっている。書簡では、北がこれまで反対してきたのは南の執権者ではなく、その外勢依存・反統一政策だと指摘した。南が反北対決の過去と決別し、連北和解へと政策を転換してこそ、南北関係は改善され、祖国統一の道を共に切り開くことができる。
(4)では「外勢の支配と反統一勢力に反対してたたかう」ことを挙げている。朝鮮半島は南に対する米国の支配と干渉によって南北に分断され、駐南米軍の軍拡や合同軍事演習で情勢は緊張し、南当局は米国と結託してコンクリート障壁の構築や統一運動弾圧を行っている。外勢依存・反統一政策が続く限り、統一実現の局面は切り開かれない。
(5)は「全民族が互いに接触、対話して連帯・連合を強化」することだ。思想と理念、政見と信仰の差異があっても、北、南、海外の全同胞が自由に往来して接触し、対話を進めれば、理解と信頼は深まり、民族共同の目的を目指して力を一つにできる。
すなわち、書簡で貫かれている内容は、民族大団結実現で重要なのは民族自主の原則を堅持することであり、それは外勢の支配と隷属に反対し、民族の自主性を守るために民族が団結してたたかうことであるということなのだ。