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南朝鮮労働者の現状/進む構造調整、圧迫される生活


 「労働者たちはこれ以上、引き下がれない」――。1日の全国民主労働組合総連盟(民主労総)大会では、悲痛な声が相次いだ。南朝鮮では、当局と企業による構造調整の過程で労働者のみが犠牲を強いられている。(根)

 

 国際通貨基金(IMF)の支援体制下に入って1年半が経過した南で今、深刻化している問題が、ホームレスの激増だ。

 ソウル駅前には現在、1500人近い野宿者がおり、保護施設で暮らす人たちを含めると、6000人以上にも達する。昨年同時期の2倍以上のスピードで増え続けており、最近は女性の増加が目立つという。

 中でも、この数ヵ月間で顕著なのが、失業者が即、野宿者となる傾向だ。彼らは「新規野宿者」や「失職野宿者」と呼ばれている。

 統計庁が発表した3月末現在の南の失業率は8.1%、失業者数は170万4000人と、依然として高い水準にある。さらに、民主労総の試算では、大卒未就職者や日雇労働者などを含めると、実質的な人数は400万人以上にも達する。

 カトリック大のチョン・ムソン教授(社会福祉学)は、新規野宿者の増加は失業者の増加に比例していると語り、「野宿者には労働意欲がある。1日も早く彼らをサポートするプランを立てるべきだ」と、早急な失業者対策を訴える。

 株価やウォン―米ドルレートが安定し、貿易収支も黒字に転じるなど、南は一昨年来の深刻な通貨・金融危機から少しずつ回復してはいる。しかし、ガソリンや灯油、タクシー料金やバスの運賃など、危機のあおりで急激に高騰した物価は下がる気配を見せず、市民生活は圧迫されている。

 そこへ追い討ちをかけたのが、大宇やLG、現代など大財閥の追加リストラ策だ。労働者は「次は自分かも」という解雇への不安と、労働者の生存権を無視した当局と企業への不信感を募らせている。

 昨年1月に労使政委員会が発足した際、当局は「苦痛の分担」を訴えたが、この取り決めは無視され、労使間交渉なしに整理解雇が断行されている。民主労総のゼネストの先鞭を切ったソウル地下鉄公社労組の組合員は、「公社は構造調整方針を労組に一方的に通報してきた。それも『政府の指針』という一言で整理解雇が決まり、労組には何の相談もなかった。こうした状況で、自分たちにはたたかうことしかできないではないか」と、追い詰められた労働者の心境を語る。

 民主労総は、現在の「4・5月総力闘争」を「単なる事業所単位の要求水準を超え、『政府』の政策を変えさせようというたたかい」(李甲用委員長)と位置付けており、反「政府」・反経営陣という姿勢をより明確に打ち出している。

 12日からは第2次ゼネストに突入し、15日にはソウルで再び大規模な民衆大会を開く。中心は傘下の金属産業労連、タクシー労連、病院労連などで、より多くの参加が見込まれる。