第5回4者会談、ジュネーブで開催
第5回4者会談が4月24〜27日、ジュネーブで開催され、前回同様、全体会合に続いて「朝鮮半島の平和体制構築」「緊張緩和」に関する両分科委員会が行われた。同会談が終わったことと関連して外務省スポークスマンは29日、会談では朝鮮半島の平和と安全保障問題と関連して何の実践的対策を講じられず、それよりも参加各者の立場の深刻な相違が表面化されたと指摘。4者会談がこのようにして月日を過ごすならば、われわれはこれ以上、興味を抱かないとしながら、米軍撤退と朝米平和協定締結問題は朝鮮半島の強固な平和と安全を保障するうえで根本の根本を成す問題であり、こうしたわれわれの立場は変わらないと強調した。次回会談は8月中にジュネーブで開催される予定。(基)
共和国、米軍撤退と平和協定締結問題議題化求める
「朝鮮半島の平和体制構築」「緊張緩和」に関する両分科委員会は、前回の会談で運営方針などが決定されており、実質的な論議に入ったのは今回が初めて。
だが参加者の意見が対立し、議題設定は次回に持ち越された。
共和国はこれまで同様、会談目的に沿って「米軍撤退」、「朝米平和協定締結」問題を取り上げようと主張した。
共和国側は米軍撤退問題が「4者会談の要」と主張している(4月21日発朝鮮中央通信)。朝鮮停戦協定(1953年7月)で「朝鮮からすべての外国軍を撤退させる問題」が協議されることになっているが、現在、米軍以外はすべて撤退している。そのため朝鮮半島の平和と緊張緩和のためには米軍の撤収は避けて通れない問題だ。
現実的に見ても停戦協定の当事者である米国が、法的に交戦相手の共和国と強固な平和を築くため、武力の撤退問題を論議しなければならないことは、誰も否定できない。米国が朝鮮半島での強固な平和を保障するために4者会談をやろうと提議した以上、会談の進展について真に関心があるなら、米軍撤退問題を討議することに関する共和国の原則的な主張を受け入れなければならない。
また朝米平和協定締結を主張するのは、朝鮮半島の平和と安全を実質的に保障できる法的、制度的装置を構築しようとするもの。米国が停戦協定の直接的な当事者であり、南に軍を駐屯させ政治・軍事・安保問題に対する実権を握っているからだ。
共和国の主張に対し米国と南朝鮮は、「南北軍事当局の直通電話」「軍事演習の事前通告」など、南北対話を求めた。4者会談は「朝鮮半島の恒久的平和協定を実現する過程を始めるもの」(クリントン米大統領)であって、南北対話を進める場ではない。
つまり4者会談は開催の目的に沿った米軍撤退、朝米平和協定締結問題など「核心事項についてまず論議しなければ意味がない」(金桂寛首席代表、日本経済新聞4月28日付)。
次回会談では、朝鮮半島の特殊な状況に適合する緊張緩和の措置と朝鮮半島に樹立される平和体制の輪郭をより深く検討することで合意したが、会談の進展如何は結局、対北敵視政策の転換など米国の出方次第と言えよう。
朝米協議も同時開催/関心事すべて討議
一方、4者会談と並んで朝米高官協議も行われた。これまでも4者会談を前後して朝米協議が頻繁に行われ、両国の関係を前進させる契機となった。28日、ジュネーブの米国代表部で行われた協議には、4者会談の首席代表として参加した金桂寛外務省副相、カートマン朝鮮半島和平担当大使が出席した。
協議後、金副相は共和国の招待によって米国の訪問が認められている金倉里問題と米国主導の朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)による軽水炉建設、米国による制裁解除など、両国の「関心のある事項すべてを討議した」(朝日新聞4月29日付)と語った。