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近畿で「在日同胞の生活と権利シンポジウム」/民族性、結婚、就職、福祉テーマに


 「在日同胞の生活と権利シンポジウム―民族性、結婚、就職、福祉―その現況と課題(近畿)」が21日、京都市アバンティホールで開かれ、近畿地方の同胞と総聯活動家ら420余人が参加した。近畿地方2府4県の総聯本部による実行委員会(委員長=総聯京都府本部の金光洙委員長)が主催した。シンポは、昨年5月の総聯第18回全体大会で打ち出した生活・権利重視の方針を今後の運動で具現していくための方途を同胞の声の中から探そうと開かれたもので、昨年11月の東京に続いて2ヵ所目。今後は5月29日に福岡、7月3日に愛知での開催が予定されている。(関連記事)

 第1部ではまず、総聯中央同胞生活局の柳光守局長が「在日同胞の生活と権利の現況と課題」と題して基調報告した。

 柳局長は、日本政府は依然として在日朝鮮人問題を治安問題とみなし、民族的に生きようとする同胞たちを抑圧していると指摘。団結した力で同胞の生活を守る運動を力強く繰り広げていこうと呼びかけた。

 柳局長はさらに、同胞の生活・権利を守っていくために◇総聯支部が人権協会や生活および結婚相談所とよく連携し、同胞たちの相談に対応できるシステムを確立する◇秋までに就職情報センターを設立し、情報誌の発行や同胞企業によるセミナーなどを行う◇同胞高齢者と同胞障害者の生活を応援していく福祉連絡協議会を今年中に作る――などの措置を取っていくと述べた。これらは、総聯18全大会方針を具体化した中央委第18期第2回会議決定で示された内容だ。

 続いて同胞結婚相談近畿センターの朴輝国所長が「民族性と結婚」、兵庫県商工会の黄尚潤副理事長が「同胞社会と就職問題」、京都同胞生活相談所の鄭禧淳所長が「同胞社会と福祉問題」と題してそれぞれ報告した。

 2部の質疑応答では、報告者とともに大阪の老人保健施設「ハーモニー共和」の鄭富子副施設長、白吉雲司法書士もパネリストに加わり、各テーマごとの現状と課題、対策について、参加者らと意見を交換した。

 近畿地方では各地に生活相談所が設置されており、これまで兵庫で延べ500件、大阪では300件以上の相談に応じてきた。

 介護ヘルパーなどの人材育成も進めている京都相談所は5月7日に事務所をオープンさせ本格的な活動を始める予定だ。

 また同胞たちが集住する大阪・生野区には昨年、老人保健施設ハーモニー共和ができた。

 シンポでは、こうした取り組みと経験に基づいた意見が出され、議論が深まった。