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シドニー五輪へ期待されるホープたち/女子ハンドボールの指令塔 リ・ヒョンシル選手(29)


 共和国女子ハンドボール代表チームの指令塔、リ・ヒョンシル選手(29)。昨年12月の第13回アジア競技大会(バンコク)での、銀メダル獲得の原動力になった。

 共和国がハンドボールを正式に取り入れたのは1982年。運動よりも音楽を好む少女がハンドボールの世界に入ったのはその2年後、14歳の時だ。

 高等中学校の体育の授業でボールを投げたら、ほかの子より遠くへ飛んだ。それを見た友達から「体育系のサークルに入ったら」と勧められた。学校にはバスケットボールとハンドボールの2つのサークルがあったが、「背が低いからバスケは無理」と、ハンドボールを選んだ。

 卒業後は、鉄道局体育団(平壌市)に入団した。同体育団は当時、国内リーグ「万年最下位」の弱小クラブ。「一つでも多く勝ちたい、そう思って試合では必死にボールを追い掛けました」。この努力と、試合を適切にコントロールするゲームメーカーとしての彼女の持ち味がやがて開花。同体育団は94年、リーグ優勝を成し遂げる。

 18歳だった88年には共和国代表として、社会主義青少年選手権(ポーランド)で国際舞台にデビュー。国際試合はこれまで7試合に出場した。

 体の大きな選手をフェイントで交わしてボールをゴールに叩き込んだ時の満足感がハンドボールの魅力、とリ選手は言う。「数多くの球技の中でも、ハンドボールの試合の激しさは群を抜く。技術面はもちろん、『肉弾戦』に耐え得るフィジカルな面をどう鍛えるかが重要です」

 25歳を過ぎた頃から、さすがに体力的にきつくなったという。しかし、シドニー五輪までは頑張るつもりだ。「『練習で勝った者が最後に勝つ』というのが信条。今も練習では人一倍走り込む。若い選手にはまだまだ負けられません」

 昨春、婚約した。「でも、結婚式は五輪が終わってからになりそう」と言い、笑顔を見せた。(高)