最高人民会議第１０期第２回会議で採択された
「朝鮮民主主義人民共和国人民経済計画法」（下）
第３章 計画の批准と示達
第２１条 人民経済計画の批准と示達は、作成された人民経済計画を審議、承認し、執行する単位に下ろす重要な事業である。
内閣と国家計画機関、地方政権機関は、人民経済計画を適時に審議し、承認を受けて執行する単位に下さなければならない。
第２２条 内閣と地方政権機関は、作成された人民経済計画を最高人民会議、または地方人民会議の審議に提起しなければならない。この場合、内閣と当該の人民委員会で討議しなければならない。
第２３条 国家の人民経済計画は、最高人民会議で審議し承認する。
やむをえない事情で最高人民会議休会期間に提起される国家の人民経済計画とその調節案は、最高人民会議常任委員会で審議し承認する。地方の人民経済計画は、当該の人民会議で審議し承認する。
第２４条 内閣と国家計画機関、地方政権機関は、批准された人民経済計画を時期別、指標別に具体化して１０月末まで、機関、企業所、団体に下さなければならない。機関、企業所、団体は、示達を受けた人民経済計画を細部に至るまで具体化しなければならない。
第２５条 機関、企業所、団体は、人民経済計画を適時に当該機関に登録しなければならない。
人民経済計画を登録しなければ労働力と設備、資材、資金を受けられない。
第２６条 国家計画機関および機関、企業所、団体は、人民経済計画照合事業を行わなければならない。この場合、人民経済計画の示達状況を把握し、予備を動員する措置を講じなければならない。
第４章 計画の実行
第２７条 人民経済計画を正確に実行することは、機関、企業所、団体にとって義務的である。機関、企業所、団体は、生産を正常化して人民経済計画を日別、月別、４半期別、指標別に確実に実行しなければならない。
第２８条 人民経済計画実行の直接的な担当者は生産者大衆である。機関、企業所、団体は、生産者に人民経済計画とその実行方途を適時に通知しなければならない。
第２９条 機関、企業所、団体は、人民経済計画に基づいて契約を正確に結ばなければならない。契約は、たがえずに履行しなければならない。
第３０条 当該の機関は、４半期ごとに人民経済計画を月別に分割して企業所、団体に下さなければならない。月別分割は、４半期人民経済計画範囲内で行わなければならない。
第３１条 機関、企業所、団体は、人民経済計画の実行準備をしなければならない。計画実行の準備をしなければ、生産と建設を行うことができない。
第３２条 機関、企業所、団体は、輸出計画に見込まれた製品を先に生産しなければならない。協同生産計画に見込まれた製品は、月上旬内に生産し、保障しなければならない。
第３３条 労働行政機関と資材供給機関、財政銀行機関は、人民経済計画実行に必要な労働力、設備、資材、資金を適時に保障しなければならない。設備、資材は、計画と契約に基づいて品種別、規格別、材質別に供給しなければならない。
第３４条 機関、企業所、団体は、内部予備を積極的に探し出して人民経済計画の実行に合理的に利用しなければならない。当該の機関は、機関、企業所、団体の遊休労働力と設備、資材、資金を適時に動員し、調節しなければならない。
第３５条、内閣と当該の機関は、生産指揮体系を正しく確立し、人民経済計画の実行状況を常に把握し、その実行対策を適時に講じなければならない。機関、企業所、団体は、人民経済計画の実行状況を毎日、上級機関と国家計画機関に報告しなければならない。
第３６条 人民経済計画に含まれない製品生産と建設はできない。やむをえない事情で人民経済計画を変更させて実行しようとする機関、企業所、団体は、それを批准した機関の承認を受けなければならない。
第５章 計画の実行総括
第３７条 人民経済計画の実行総括を正しく行うことは、計画規律を強化し、人民経済計画を正確に実行するための重要な方途である。機関、企業所、団体は、人民経済計画の実行状況を正常に掌握、総括しなければならない。
第３８条 人民経済計画の実行状況は、月別、４半期別、上半期、年間で総括する。企業所と団体は、人民経済計画の実行状況を旬別でも総括しなければならない。
第３９条 機関、企業所、団体は、人民経済計画の実行状況を予備的に総括し、必要な対策を立て、計画期間が終わり次第、人民経済計画の実行に対する完全総括をしなければならない。この場合、生産計画の実行に中心を置いて関連指標の計画実行状況も総括しなければならない。
第４０条 人民経済計画実行の評価基準は、統計機関に登録された計画である。統計機関は、登録された計画と掌握された計画の実行実績によって人民経済計画の実行状況を評価しなければならない。
第４１条 機関、企業所、団体は、従業員に人民経済計画の実行状況を定期的に知らせなければならない。人民経済計画の実行状況は公示することができる。
第６章 計画事業に対する指導、実行
第４２条 人民経済計画事業に対する指導、統制を強化することは、国家の人民経済計画政策を徹底的に貫徹するための基本的保証である。国家は、人民経済計画事業に対する指導体系を正しく確立して指導、統制を強化するようにする。
第４３条 人民経済計画事業に対する指導は、内閣の統一的な指導のもとに国家経済機関が行う。国家計画機関は、人民経済計画の一元化、細部化を実現し、人民経済計画を正しく策定し、たがえず実行するよう指導しなければならない。
第４４条 国家計画機関は、現実発展の要求に即して人民経済計画の作成方法を改善し、それに基づいて計画事業を行うよう指導しなければならない。
第４５条 人民経済計画事業に対する監視、統制は、国家計画機関と当該の監督・統制機関が行う。国家計画機関と当該の監督・統制機関は、人民経済計画の作成と示達、実行とその総括状況を正常に監督、統制しなければならない。
第４６条 人民経済計画に組み込まれた労働力、設備、資材、資金で計画に含まれない製品を生産したり、建設を行う場合は、それを中止させ、人民経済計画の実行実績に評価しない。
第４７条 労働力と設備、資材、資金を流用、浪費した場合は、当該の損害を補償させる。
第４８条 本法に違反して人民経済計画事業に重大な結果をもたらした機関、企業所、団体の責任者と個別的公民には情状に応じて行政的、または刑事的責任を負わせる。