最高人民会議第１０期第２回会議で採択された

「朝鮮民主主義人民共和国人民経済計画法」（上）

　９日の最高人民会議第１０期第２回会議で採択された「朝鮮民主主義人民共和国人民経済計画法」の全文は次のとおり。（朝鮮通信）

第１章 計画法の基本

　第１条　人民経済計画は、経済発展を科学的に見越した国家の指令である。

　朝鮮民主主義人民共和国人民経済計画法は、人民経済計画の作成、批准と示達、実行とその総括で制度と秩序を厳格に確立して、人民経済を計画的に発展させるうえで貢献する。

　第２条　朝鮮民主主義人民共和国の経済は、生産手段に対する社会主義的所有に基づいている計画経済である。

　国家は、自立的民族経済の基盤を強化し、人民生活を絶え間なく高められるよう人民経済を計画的に発展させる。

　第３条　国家の中央集権的・統一的指導のもとに人民経済を管理、運営することは、朝鮮民主主義人民共和国の一貫した政策である。

　国家は、人民経済を統一的に掌握し、唯一的な計画に基づいて管理､運営する｡

　第４条　人民経済計画は、社会主義経済の計画的管理を実現するための基本的手段である。

　国家は、現実発展の要求に即して人民経済の高い成長テンポを維持し、均衡を合理的に保つようにする。

　第５条　人民経済計画を生産者大衆と討議して立て、作成された計画を生産者大衆自身のものにすることは人民経済計画事業の重要な原則である。

　国家は、人民経済計画事業で大衆路線を徹底的に貫徹して生産者大衆の熱意と創意性を高く発揮するようにする。

　第６条　人民経済計画を正しく立て、正確に実行することは、人民経済を計画的に、均衡的に発展させるための根本条件である。

　国家は、社会主義経済法則と現実的な条件を正しく見積もって科学性、現実性、動員性が保障された人民経済計画を立て、計画実行の規律を強化し、経済事業で実利を出すようにする。

　第７条　人民経済計画の一元化、細部化は、社会主義計画事業体系であり、方法である。

　国家は、人民経済計画の一元化、細部化を実現して計画事業の唯一性を保障し、計画を細部にわたってかみ合わせるようにする。

　第８条　国家は、計画機関の物資的・技術的基盤をしっかり整え、人民経済計画事業を近代化、科学化するようにする。

　第９条　国家は、人民経済計画部門の専門家養成体系を正しく確立し、有能な計画部門の専門家を系統的に育成するようにする。

第２章 計画の作成

　第１０条　人民経済計画の作成は、経済事業の第１工程である。

　国家計画機関および機関、企業所、団体は、人民経済計画作成のための組織計画書を作成し、それに基づいて計画作成事業を組織しなければならない。

　第１１条　国家の政策は、人民経済計画作成の基準である。

　国家計画機関および機関、企業所、団体は、国家の政策に基づいて人民経済計画を作成しなければならない。

　第１２条　国家計画機関および機関、企業所、団体は、人民経済計画の作成に必要な労働力と設備、資材、資金の利用基準、経営の実態、統計、科学技術および経済発展の推移、天然資源の状態、人口数のような基礎資料を準備しなければならない。基礎資料を準備せずには人民経済計画を作成することができない。

　第１３条　国家計画機関は、人民経済計画指標を機関、企業所、団体に分担しなければならない。

　人民経済計画指標の分担は、国家的な要求と機関、企業所、団体の創意を正しく結合させる原則で行わなければならない。

　第１４条　人民経済計画は、展望計画と現行計画に分けて作成する。

　現行計画は、展望計画に基づいて作成する。

　第１５条　国家計画機関および機関、企業所、団体は、人民経済発展の方向にそって生産的固定財産の更新と拡大、天然資源の開発、科学技術発展のような経済発展に与える要因を打算して人民経済展望計画を立てなければならない。

　第１６条　人民経済現行計画の作成は、予備数字を集計することから始める。　機関、企業所、団体は、生産成長の可能性を打算して予備数字を集計しなければならない。予備数字は、上級機関と国家計画機関に提出しなければならない。

　第１７条　国家計画機関は、予備数字を検討し、人民経済発展の方向にそって統制数字を集計し、当該機関の批准を受けなければならない。

　批准を受けた統制数字は、機関、企業所、団体に下ろさなければならない。

　第１８条　機関、企業所、団体は、統制数字を保障する原則で大衆討議を行い、人民経済計画草案を作成して上級機関と国家計画機関に提出しなければならない。国家計画機関は、提起された人民経済計画草案を正確に検討し、国家の人民経済計画草案を作成して内閣に提起しなければならない。

　第１９条　人民経済計画は、国家計画機関に登録された指標に基づいて立てる。

　新しい指標を計画しようとする機関、企業所、団体は、それを国家計画機関に登録しなければならない。

　第２０条　労働力、設備、資材、資金をかみ合わせることができなかったり、科学技術の審議を受けなかった指標、批准された設計文書のない指標は、人民経済計画に反映することができない。