最高人民会議第10期第2回会議で行った林京淑財政相の報告
第1議案「朝鮮民主主義人民共和国チュチェ87(1998)年国家予算執行の決算とチュチェ88(1999)年国家予算について」
最高人民会議第10期第2回会議で内閣の林京淑財政相が行った第1議案の報告「朝鮮民主主義人民共和国チュチェ87(1998)年国家予算執行の決算とチュチェ88(1999)年国家予算について」の内容は次のとおり。(朝鮮通信、中見出しは編集部)
97年に比べ100.4%成長
朝鮮労働党の指導のもと、あらゆる試練と難関を乗り越え、社会主義強行軍を力強く推し進めた結果、昨年も国家予算が成功裏に執行された。朝鮮労働党は、いかなる厳しい条件のもとでも、国の財政土台に基づき自力で必要な資金を最大限確保し、それを経済建設と国防建設、人民生活に集中的に効果利用する方針を堅持し貫徹した。
昨年の国家予算の歳入総額は197億9080万ウォンで、計画を98%遂行し、国家予算の歳出総額は200億1521万ウォンで、計画を99%執行した。昨年の国家予算の歳入、歳出の規模は1990年代初めの水準にはまだ達していないが、97年に比べて予算歳入は100.4%に成長した。
このように昨年、国家予算の歳入が成長し、国の財政が新たな前進の道へと進んだのは、国家予算の執行と社会主義強行軍を勝利のうちに結束させるためのたたかいで達成した重要な成果である。
農業に前年より大幅支出
共和国政府は昨年、人民経済に対する資金支出を増やし、中でも電力、石炭、金属、機械工業と鉄道運輸部門に対する資金支出は前年比106%増となった。
大規模水力発電所の建設が力強く推進され、中小型発電所が年間5000余ヵ所も建設され、石炭の増産を早められる土台を整えた。
また、石炭地下ガス化の実現に成功し、西海地区に無尽蔵に埋蔵されている石炭資源を、エネルギー問題解決と人民経済各部門の発展に効果的に開発・利用できる展望を開いた。
金属工業部門では、城津製鋼連合企業所などの金属工場で鋼鉄生産を高い水準に引き上げることのできる土台を築いた。黄海製鉄連合企業所では、主体的な製鉄法を開発し、酸素熱法溶鉱炉を完成させて銑鉄が生産できるようにした。
機械工業部門では、生産で新たな飛躍を起こせる土台を築いた。
鉄道運輸部門では、鉄道の物質技術的土台がより強化され、海州―甕津、新康○(○は令に羽)―釜浦間の150余里の鉄道広軌化工事が完工し、輸送能力が一層高まった。
農業部門でも一連の前進を見、食糧問題を解決できる展望が開かれた。
党と政府は農業部門への支出を前年よりも大幅に増やした。
農村経営部門では多収穫品種を多く確保し、田畑での2毛作栽培技術を確立して広く受け入れられるようにし、複合微生物肥料工場を100余ヵ所に増やして穀物生産を決定的に増やせる確固たる土台を築いた。
土地整理事業を推進
政府は、首都・平壌市の建設と各部門の重要対象の建設のために膨大な投資を行った。
軍人建設者と首都建設部門の勤労者は、1年という短期間に20余里にわたる9・9節街、2万人収容の4・25ホテルを建設した。
12月5日青年炭鉱の開発を力強く推進し、10月13日青年連合企業所溶鉱炉職場の電気溶鉱炉拡張工事、順川ビナロン連合企業所カーバイト職場の3号電気炉工事、忠誠の新浦製塩工場建設、平壌集積回路工場建設を完工させ操業を開始し、平壌市と地方都市、農村に住宅を建てた。
都市経営と国土管理事業に多くの資金と国家的な力を投入して大きな成果を収めた。江原道では土地整理事業を力強く推し進め、耕地を大規模規格田に整理した。
人民のための政策実施
政府は朝鮮式社会主義をしっかりと守るため、国家予算の歳出総額の14.6%を国防費に回した。
政府は、経済建設と人民生活の問題を解決するためにすべきことは多かったが、革命の根本利益に沿って軍事をより重視し、国防建設に優先的に力を入れ、人民軍を威力ある現代的な戦闘技術機材で装備された無敵必勝の強軍として一層強化し、全人民的、全国家的防衛システムをより一層しっかりと築いた。
社会主義文化建設部門にも資金が投入された。
党と政府がこの数年間、厳しい苦難のもとでも、膨大な財政負担で数々の人民のための施策を引き続き実施し、国家負担による多くの物質財政的恩恵を追加的に施した。
社会主義経済建設と国家予算の執行で達成したすべての成果は、党の経済建設路線と財政政策の正当性、自立的民族経済の無限の威力を力強く誇示するものである。社会主義強行軍で誇らしい勝利を成し遂げられたのは、全党、全軍、全人民を新たな勝利へと力強く導いた、金正日総書記の精力的で賢明な指導と卓越した知略によってもたらされた貴重な結実である。
歳入、歳出203億8000余万ウォン
われわれは「今年を強盛大国建設の偉大な転換の年に輝かせよう」という党の戦闘的スローガンを高く掲げ、駿馬にまたがり駆け足で金日成祖国、社会主義のこの地に、隆盛繁栄するチュチェの強盛大国を築き上げなければならない。
99年国家予算は、強盛大国建設で新たな転換を起こすうえで、キーポイントとなる重要部門に財政を集中させる方向で編成した。
99年国家予算の歳入と歳出の総額は、それぞれ203億8172万ウォンで、昨年に比べて歳入総額は103%、歳出総額は101.8%増である。
電力、農業に最も多く投資
国家では人民経済に対する支出を昨年比102%増にし、中でも電力工業と農業に最大の比重をあてる。
政府は食糧問題を決定的に解決するため、農業に対する投資を昨年比111%増にし、農業に優先的に力を注ぐ。電力工業部門に対する投資は昨年比115%増とする。
石炭工業、鉱業、金属、機械工業をはじめとする基幹工業部門を発展させ、鉄道運輸を優先させるため、この部門に前年比110%増の資金を投資する。
党と政府は、軽工業と製薬工業部門に膨大な資金を投入する。
政府は、膨大な資金を投入して平壌市に強盛大国建設の記念碑的創造物を建設する事業を行う。
また、国土建設と都市経営部門にも支出を増やす。 政府は革命武力の威力を一層強化するため、国家予算歳出総額の14.5%を国防費にあてることを見越している。科学事業費の支出を昨年比110%増にすることを見越している。社会主義文化建設部門を推し進めるため、教育、保健、文化、スポーツ部門にも膨大な支出を見越している。
政府は、在日同胞子女の民主主義的民族教育のため、今年も多くの教育援助費と奨学金を送る。
最高人民会議の審議に提出された今年の国家予算は、社会主義自立的民族経済の潜在力を最大限動員し、社会主義建設で新たな千里馬大高揚を起こし、強盛大国建設で偉大な転換を起こすために一丸となって立ち上がった人民と人民軍の英雄的たたかいを、財政的に確固と保証する革命的で人民的な予算である。